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2024.01.29|CEOコラム

対岸の火事ではなく他山の石とする ~CEOコラム[もっと光を]vol.207

 このコラムでも何度かアルファベットだけの社名の会社は怪しいと訴えてきましたが、また「DDS」という社名の会社が事件の当事者になりました。「DDS」の由来については、同社のホームページを見ても何も触れられていませんから知る由もないのですが、「D」はDigitalの「D」なのでしょうか。指紋認証や生体認証に関するビジネスのようですから、生体認証だったらBiometricの「B」ではないかとも思いますが…

 

 それはともかく、何をしでかしたかというと、ご多分に漏れず「粉飾決算」です。監査法人からの指摘に対して真摯に対応することなく、事実と異なる有価証券報告書を提出するなどして昨年8月4日に上場廃止となりました。当時の市場のプレスリリースによると、不適切な会計処理が判明したことから同社株式を特設注意市場銘柄に指定して所要の改善を求めたものの改善の見込みが立たないことから同社株式の上場廃止を決定した、とされています。

 

 さて、このような事態が生じますと、必ずと言っていいほど「監査法人は何を監査していたのか」となるのがお定まりのパターンです。案の定、金融庁はDDS社を監査していた太陽監査法人と担当社員の公認会計士2名に対して「監査において相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した」として昨年12月26日に懲戒処分を行いました。その内容は、3ヶ月間の新規監査契約締結禁止のほか、約9,600万円の課徴金納付命令に係る審判手続の開始というものです。

 

 先週1月26日の日経新聞によると、太陽監査法人の担当会計士らは自らの業務の効率化を優先して財務諸表の中身を確認することなく事前に監査報告書を会社に手渡していたというのですから、「言語道断だ」と指弾されています。また、金融庁の担当者も「簿記3級程度の基本的部分の見逃しで到底考えられない」と憤っているとのことです。対岸の火事とはいえ、監査業界に身を置く一人として、改めて他山の石としなければならないと痛感しています。

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