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スタッフコラム

2019.03.15|CEOコラム

未来の金融”計測できない世界”を読む ~週刊ひかり vol.2

今日3月15日は平成30年分の所得税や贈与税の確定申告期限です。弊社では昨日までに業務を終え、電子申告の送信作業も滞りなく済ませることができました。毎年、社内期限を3月10日前後に設定し、上級管理者による検査・確認を実施して3月15日の法定期限に備える体制を取っていますが、今年は1日前倒しで完了したというわけです。

業務を終えての感想は、「平成」を冠した所得税確定申告書は今回で見納めになるということです。今年は平成31年ですが、5月以降は新元号対応となるため、来年の申告書は「○○元年分」なります。かつて、昭和64年は数日間だけ存在しましたが、その後平成に改元されたので、翌年3月の申告書は「元年分」として提出した歴史があります。もっとも、今は電子データですので、紙の時代ほどの感慨はないかも知れませんが…(笑)

ところで、「未来の金融"計測できない世界"を読む」から再び引用します。「…だが、我々は、時にどこかで斜め読みしたに過ぎない「もっともらしい福音」さえ、信仰の対象としてしまう。例えば「会計で経営する」という「福音」だ。まともな金融機関、税理士・会計士は知っている。事業者に真に最も求めるのは、会計や簿記の知識ではなく、経営への本気と覚悟だ。会計は過去の活動を振り返る、特に徴税システムのための「物差し」としての性格が色濃い。にもかかわらず、こうした「福音」を絶対視するのは、不確実な未来への心理的エントロピー(精神の混乱)から逃れたいという動機に他ならない。」

著者は、会計について「過去の活動を振り返る、特に徴税システムのための物差し」だと言っていますが、それは半面の真理であると同時に中小事業者にとっては全面の真理に近いともいえます。多くの中小事業者にとって、「会計は確定申告のためにやむを得ず必要なもの」でしかないのが実情です。ですから私たち心ある税理士・会計士は、「数字は税務署のためにあるのではない」、「数字を経営に活かそう」、「経営を数字で読み解こう」と説くわけです。そのことは決して間違ってはいませんから「福音」ではあるものの、それだけでは十分でないことも確かです。求められるのが「経営への本気と覚悟」だという著者の主張には説得力があります。福音に耳を傾ける者の姿勢が問われているということでしょう。
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