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2024.03.18|CEOコラム

過去の光景に思うこと ~CEOコラム[もっと光を]vol.214

 おかげさまで、今年も所得税の確定申告業務を期限内に終えることができました。働き方改革の一環で残業時間の抑制などを余儀なくされ、投下時間の関係から期限内の完了がやや危ぶまれていたのですが、業務の効率化等が奏功して無事に期限を迎えることができました。その効率化のひとつが電子申告の浸透にあることは事実です。かつての3月15日といえば、大量の紙ベースの確定申告書を提出先の税務署毎に仕訳して、スタッフが複数のチームに分かれて市内外の税務署を巡回して提出していたのです。

 

 そうした光景も過去のものとなりました。一部の例外を除いて、ほぼ全件がパソコンのエンターキーひとつで申告完了というわけですから隔世の感があります。もっとも、添付書類等のこともあるので必ずしもキーひとつではないのですが、膨大な紙の申告書に埋もれていた所内風景は大きく様変わりしました。このことは確定申告書を受け取る税務署側にとっても同じでしょう。大量の紙ベースの申告書の整理に費やしていたマンパワーを現場の税務調査に振り向けることができるのですから、文字通り一石二鳥と言えます。国税当局が推進する「税務行政DX」の狙いもそこにあります。

 

 ところで、先週は北陸新幹線の敦賀延伸開業がニュースになっていました。敦賀発東京行きの「かがやき」の出発を報じる画面が流れ、東京まで最速列車の所要時間が3時間10分であることもアナウンスされていました。ただ、その一方で一つの光景が過去のものになったことも事実です。それは、大阪駅や京都駅で行き先を「金沢」や「和倉温泉」と表示した特急列車が次々と出発する光景です。逆に金沢駅では「大阪行」と表示された特急列車が姿を消しました。

 

 北陸新幹線の敦賀以西への延伸が未だに白紙状態といった状況の中で、嶺南地域を加えた福井県を含む北陸三県にとっては、東京がさらに身近な存在になってしまったのです。金沢-敦賀間約125㎞、所要時間にして僅か40分ほどのことですが、関西圏との親和性はますます薄れていくことを懸念します。失われた過去の光景を単なるノスタルジーとして懐かしむだけではなく、そのことが将来を憂える材料にもなることを関西に住まう人々は知っておくべきでしょう。

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