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スタッフコラム
ニーバーの祈り-英知と勇気と…~週刊ひかり vol.31
文科省の英語入試改革が瓦解しました。教育現場や専門家の声を軽視し、来年からの実施という期限ありきで進められた拙速な制度改革があえなく頓挫したことは当然といえば当然ですが、類似の事例は約10年前に金融庁でも起こりました。
規制緩和の流れに迎合して会計士5万人構想という画餅を掲げた当時の金融庁は、試験制度改革を進めると同時に既存の公認会計士資格に加えて新たに「財務会計士」と称する鵺(ぬえ)のような資格を創設し、会計プロフェッショナルの充足を図るという戯言を唱えたのです。足元で公認会計士と税理士の職域問題が微妙に推移する中、新たに「財務会計士」なる第三の資格を導入する意味などないと実務界からも研究者からも総スカンを食った法案は見事に廃案になったのですが、あのときの金融庁の姿勢を彷彿とさせる今の文科省の手法には呆れるほかはありません。
わが家に受験生がいたのは今から十数年も前のことですから、もはや英語入試改革は他人事なのですが、それにしても、行政官庁の失策と官僚の劣化には目を覆うばかりです。それに加えて政治家の劣化は輪をかけて酷く、短期間に複数の主要閣僚が辞任するなど政権も末期症状を呈していると言って良いでしょう。
これら劣化した官僚や政治家に贈りたいのが次のメッセージです。「変えられないものを受け入れる冷静さと変えるべきものを変える勇気と、そして変えられないものと変えるべきものを区別する英知を私に与えてください。」これはアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーによる「ニーバーの祈り」の一部ですが、ここで語られる「冷静さ」と「勇気」と「英知」こそは物事をすすめる上で必要不可欠な要素であると考えます。どれか一つが欠けても、首尾良い結果は得られないでしょう。与えられた職務を遂行する上で胸に刻んでおきたい箴言の一つとして紹介しておきます。
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