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2022.07.04|CEOコラム

緊張感のある株主総会 ~CEOコラム[もっと光を]vol.126

 以前、このコラムで紹介した国税庁の「税務統計から見た法人企業の実態」によると、わが国には約280万社の法人が存在し、そのうち9割を超える258万社が株式会社となっています。他の会社形態としては、合同会社が13万社強に過ぎず、また合名会社や合資会社に至っては1%にも満たないのが現状です。つまり、誤解を恐れずに言えば、会社=株式会社というのが実情なのです。

 

 このように会社形態として圧倒的多数を占める株式会社ですが、その運営において株主総会が適正に行われている割合は僅かしかないといっても過言ではありません。株主と経営者が同一という典型的な中小零細同族会社では、株主総会は形骸化し、必要に応じて「開催した」ことにした議事録だけが作成されているというのが実態です。もっとも、これは法律が建前としては想定していない例外であり、上場会社はもちろん、会社法上の大会社等では株主総会は会社の最高意思決定機関として適切に開催、運営されなければなりません。

 

 ところで、先月6月は3月決算会社の株主総会シーズンでしたが、例年になく緊張感のある株主総会が各所で繰り広げられたようです。例えば、京都に本社を置く独立系ベンチャーキャピタル(東証スタンダード上場)の総会では、会社側提案がすべて否決され、株主提案が可決された結果、個人株主の一人が代表取締役社長に就任するという珍しい事態が生じました。これまでの「しゃんしゃん総会」に馴染んだ当事者に緊張が走ったことは想像に難くありません。

 

 昨今、アクティビストの存在が注目されています。株主としての権利を積極的に行使して、会社に影響力を及ぼそうとする投資家のことですが、要は「物言う株主」です。総会での権利行使のみならず、必要に応じて会社側と接触して経営陣の刷新や事業戦略の変更を求めるなど、その活動が注目されています。東芝やフジテックといった上場会社でもアクティビストによる影響力の行使があったと聞き及んでいます。その是非はともかく、株主総会が緊張感を持って運営されることは歓迎すべきでしょう。もっとも、中小零細同族会社にこの話が当てはまるかというと、残念ながらそれはなかなか難しいようですが…

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