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2021.11.29|CEOコラム

「ソン(損)」という名前は… ~CEOコラム[もっと光を]vol.95

 多気駅と聞いて、その場所が分かるのは鉄道ファンぐらいかもしれません。伊勢方面へ向かう参宮線と尾鷲方面へ向かう紀勢本線の分岐駅として特急も停車しますが、三重県下のローカルな小駅です。この多気駅を最寄りの駅とし、伊勢自動車道の勢和多気インターチェンジに程近いところに日本最大級と称する商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」が開業しました。

 

 関与先の建設会社が造成したこともあって、先日ドライブを兼ねて訪問してきました。総工費180億円を投じて山林を開発し、ホテルや物販・温浴施設などが建設され、確かに日本最大級を名乗るだけの規模なのかもしれませんが、周りに何もないところに忽然と現れる巨大な人工物に少々違和感を覚えました。砂埃の舞う未舗装の駐車場は工事の途中なのかと思いきや、「自然に優しくするために舗装をしていない」とのことでした。そもそも自然を破壊して大規模開発をしておきながら、今さら「自然に優しい」もないのではと思った次第…

 

 それはさておき話は変わりますが、日産の海外市場におけるブランドは「ダットサン」です。これは「脱兎の如く速いクルマの息子」に由来するものですが、そのままでは「DATSON=ダットソン」になり「損」に通じて縁起が良くないとの声が上がりました。そこで、息子を太陽に代えて「DATSUN=ダットサン」にしたという逸話はあまりにも有名です。もっとも、英語圏では「DATSUN」は「ダットサン」ではなく「ダッツン」と発音されますから、「損」でも何もないのですが(笑)

 

 この逸話を知っている者にとっては、「ヴィソン」という施設の名称も「損」を連想させることから、ビジネス的にどうなのかなという疑問が払拭できません。あえて、損を吹き飛ばすという意気込みであれば良いのですが、運営会社がホームページで公表している事業計画によると年間800万人の動員を予定しているようです。しかし、現地の様子を見る限り、インフラ的にも、あるいはコンテンツで考えても、それはかなり高いハードルのように思えました。

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