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スタッフコラム

京都事務所
2021.12.13|税制改正

毎年の税制改正、どんなスケジュールで行われているか、知っていますか?

12月は年末調整、年が明けると所得税の確定申告と、年間を通じて、税金を意識する機会が増える、そんな時期を迎えました。
また、先週の金曜日には、「税制改正大綱」が公表され、住宅ローン減税(所得税)や賃上げ税制(法人税)等に、注目が集まっています。
ここでは、税制改正が、どのようにして、法律として制定されるのかを、説明していきます。

1.まず、税制改正とは?

税制改正は、経済社会の変化に対応し、税負担の公平性を維持するために、毎年行われる、税に関する制度の見直しです。
業界団体や税理士会及び、各省庁の税制改正要望を踏まえながら、例年、予算編成作業と並行して、行われます。

2.年内の動き

①政府税制調査会が、中長期的視点から税制のあり方を検討します
メディアで目にすることの多い、政府税制調査会(政府税調)とは、内閣総理大臣の諮問に応じて租税制度に関する基本的事項を調査審議し,内閣総理大臣に意見を述べることを任務とした審議会です。
そこで、学者や経営者などの有識者が集まって、「税制のあり方」について議論します。

②各省庁等の要望が、提出されます
8月末日までに、財務省(国税)と総務省(地方税)に、業界団体や税理士会及び、各省庁の税制改正要望が提出され、9月~10月にかけて取りまとめられます。
財務省のホームページから、各省庁要望を確認することができます。

◆令和4年度税制改正要望
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

③各省庁等の要望を、与党税制調査会で検討し、税制改正大綱が公表されます
与党税制調査会とは、自民党と公明党の税制調査会のことです。
与党政党が2つある場合は、双方の意見を擦り合わせる「与党税制協議会」があり、さらに調整されることになります。
そして、10月~12月頃から、各メディアや税務情報雑誌等に税制改正の概要が、掲載され始めます。
12月中旬頃に、最終的な改正案として、「税制改正の大綱」が閣議に提出され、与党が「税制改正大綱」を公表します。

※この公表から、基本、大きく変更されることありません。
あとは、法律の改正を待つことになります。

3.年明けの動き

④各省庁から解説資料が公表されます
税制改正大綱発表後、比較的早いタイミングで、各省庁から税制改正に関する解説資料が公表されます。
例年、経済産業省・中小企業庁の資料がわかりやすく、私たち税理士法人のスタッフも、税制改正セミナーなどのお客さま説明資料に、活用しています。

⑤財務省及び総務省が法律案を作成し、国会へ提出されます
1月下旬~2月中旬に、閣議決定された「税制改正の大綱」に沿って、国税の改正法案については財務省が、地方税の改正法案については総務省が作成し、国会に提出されます。

◆前年の国会提出日:令和3年1月26日

⑥国会による承認を経て、法律が施行されます
税制改正法案は、1月開催の通常国会で、審議されます。
衆議院、参議院の審議を経て、3月末頃に国会で承認され、改正法に定められた日から施行されることになります。
4月1日に法律施行されるのが、通常のスケジュールですが、一部の法律は経過措置によって、施行時期が4月1日以外もあります。

◆所得税法等の一部を改正する法律案の前年の状況
成立日:令和3年3月26日
公布日:令和3年3月31日
施行日:令和3年4月1日(特段の定めがあるものを除く)

4.まとめ

毎年、このようなスケジュールで、税制は改正されています。
税制は、国の財政にも関わる重要な制度であるため、絶えず、その仕組みについて検討する必要性があり、私たちの生活にも大きく関わってくるため、注目すべき制度です。

令和4年度の税制改正について、
税制調査会は「成長と分配の好循環の実現」「経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し」等を柱に、令和4年度税制改正大綱をとりまとめましたと、自民党のホームページで公表しています。

難しい言い回しなどもありますが、是非、確認してみてください。
https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html

(文責:京都事務所 竹内)

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