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スタッフコラム

京都事務所
2023.12.11|税制改正

無申告加算税の改正について

 2023年も残すところあとわずかとなりました。年内が期限の業務に追われている方も多いのではないでしょうか。
 さて、税金に関しても期限が存在します。
 例えば申告所得税等の確定申告は原則、毎年3月15日までに申告しなければなりませんし、法人税は原則、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告しなければなりません。
 しかし、期限内に申告できなかった場合、追加で税金が発生してしまいます。その内容はいくつか種類がございますが、今回は無申告加算税についてご紹介いたします。

1.無申告加算税とは

 無申告加算税とは、法定期限内に確定申告がされなかった場合にペナルティとして課される税金のことをいいます。
 2023年12月31日までに法定申告期限が到来する国税については、 原則、納付税額が50万円以下の部分に対しては15%、50万円超の部分に対しては20%の割合で課されていました。
 しかし、高額な所得を得ているのに確定申告をしていない納税者や、申告義務があるにもかかわらず長年にわたって繰り返し無申告である納税者が見受けられます。
 日本は申告納税制度を採用していますが、このような無申告者を放置していると、公平な課税も行えず、申告納税制度の根幹が揺らぎかねません。
 そこで、2024年1月1日以降に法定期限が到来する国税については、以下の通り改正されることとなりました。

2.高額な無申告に対する無申告加算税の割合の引き上げ

 社会通念に照らして申告義務を認識していなかったとは言い難い規模の高額無申告について、無申告加算税の割合が引き上げられます。
 前述の通り、改正前は原則、納付税額が50万円以下の部分に対しては15%、50万円超の部分に対しては20%の割合で課されていましたが、
改正後はさらに300万円を超える部分について、30%の割合で無申告加算税が課されることになります。
 ただし、高額無申告を発生させたことについて納税者に帰責性がないと認められる場合(例えば、相続税事案で、相続人が一定の調査確認をしたにもかかわらず、
他の相続人の財産が事後的に発覚して期限後申告等に至り、高額な納税をすることになったケースなど)は、30%の適用は除外されます。

3.無申告を繰り返す納税者に対する無申告加算税の加重措置

 繰り返し行われる悪質な無申告行為を未然に抑止するために、前々年度、前年度の国税について無申告加算税を課される者が行う更なる無申告行為に対して課される無申告加算税について、10%加重する措置が取られます。
(調査通知前、かつ、更正・決定予知前の無申告加算税は除かれます。)
 改正前の無申告加算税は、過去の無申告の回数にかかわらず、原則15%・20%の加算税率でした。これは無申告を繰り返す納税者に対するペナルティとしては、あまり効果的ではありませんでした。
 そこで改正後は、3年連続で無申告行為を繰り返した場合、10%を加重した割合で無申告加算税が課せられます。
((注)過去5年以内に無申告加算税等を課された者が再び「無申告又は仮装・隠蔽」に基づく修正申告書の提出等を行った場合に課される無申告加算税等の加重措置のいずれかが適用されます。)

4.最後に

 今回は無申告加算税と、その改正内容についてご紹介させていただきました。
 確定申告をしていない、もしくは申告内容に漏れが生じていた、などのケースは、迅速に対応して頂く事が必要です。
 今年1年を振り返る際は、ご自身の確定申告の要否についてもご検討ください。
 もし少しでも疑問になることがありましたらお気軽にご相談頂ければ幸いです。

(文責:京都事務所 島﨑)

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