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2021.12.17|節税

直前でもできる7つの決算対策

会社の利益が増えるのは喜ばしいことですが、当然税金の支払い額も比例して増大します。特に決算近くに想定外の黒字が出ると来期の法人税の支払いが厳しくなってしまうため、素直に黒字を喜べない経営者も少なくありません。

直前期にあわてて何かを買って経費にする以外に、有効な決算対策として何をすればよいのでしょうか。

本記事では決算対策の概要、直前期でも効果的な決算対策のやり方を7つピックアップし、分かりやすく解説しました。

1.決算対策とは?

決算対策として、大きく次の2つが挙げられます。

  • 節税対策

納める税金を少なくするための対策

  • 金融対策

金融機関などから融資を受けやすくするために実施する対策

他にも、決算前に行う準備なども決算対策に含めます。黒字であれば節税対策をし、赤字であれば金融機関対策を行うのが一般的です。

短期的に対策をするというだけではなく、企業の将来を見据え、長期的な経営計画を立てる上で、決算対策は重要な役割を担っています。

来年の資金繰りを優先するのか、黒字化対策を行うのかなど、企業の経営状況によって打つべき対策は異なります。

優先度の高い対策を講じるためには自社の経営状況を正しく理解しておくことが大切です。

2.決算直前でもできる効果的な決算対策

決算の直前期だからと物を買って経費に計上する方法だけが決算対策ではありません。

本章では、直前でも活用できる有効な決算対策を7つご紹介します。

後払いする予定の費用を損金算入する

1つ目にご紹介するのは、後払いの費用を損金算入する方法です。

後払い予定のものの例を以下に挙げます。

  • 従業員の給料
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 家賃

これら後払いの費用を、未払費用としてサービスを受けた月に計上することで決算対策になります。

(例)3月決算の場合

 3月分の通信費を4月末に支払う契約であれば、3月分を未払費用として今期で計上。

前払いした費用を損金算入する

後払いのものではなく前払いのものでも前払費用として損益算入ができます。

例えば、賃料や保険料など、翌月以降分を前払いするときは前払費用として今期で計上すれば、決算対策につながります。

先ほど解説した後払いの費用とは反対の決算対策です。

(例)12月決算

 12月末に、翌年1~6月半年分の賃料を前払いする場合、12月に前払費用として損金算入。

決算賞与を損金算入する

急に利益が増えた場合、従業員に決算賞与を支払えば、有効な節税対策になります。決算賞与を次年度に支払う場合、次の要件を満たしていれば損益算入が可能です。

【引用】

イ その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知をしていること。

ロ イの通知をした金額を通知した全ての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1カ月以内に支払っていること。

ハ その支給額につきイの通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

決算賞与は従業員のモチベーションアップが期待でき、節税以外のメリットがある一方、かえって支出が増えてしまい手元のお金が減るデメリットがあります。

※引用:No.5350 使用人賞与の損金算入時期|国税庁

不良在庫を損金算入する

不良在庫を売却損、廃棄損、評価損として損金算入するのも、決算対策の方法の1つです。

不良在庫とは、売れる見通しが立たず、工場や倉庫などに保管されたままの在庫を指します。

  • 売却損

帳簿価額よりも安く売ってしまえば、その差額は売却損に計上可能です。

  • 廃棄損

固定資産が不要であれば、廃棄して帳簿価額を廃棄損に計上しましょう。

  • 評価損

事業用固定資産であれば新たに資産価値を評価し、減った金額については評価損として計上できます。

しかし条件は災害などにより損傷が著しく、やむを得ないときのみと、厳しく設定されている点に注意しましょう。

決算日を変更する

決算日の変更も、決算対策の手段としては有効です。急に利益が増えて法人税の負担が大きくなりそうなとき、決算日を変更すれば支払いを遅らせられます。

3月に大きな利益が出ると分かり、決算を3月から2月に変更したとしましょう。

そうすると、利益が増えるのは次の年度になるため、1年間の猶予が生まれます。

そして1年の間に他の節税対策や資金繰りをすれば、増えた利益の対応が可能となります。

なお決算日の変更は、株主総会での決議と、税務署、県税事務所、市区町村への届け出により行います。

設備投資を前倒しする

次年度に修繕や大規模な設備を投資するつもりであれば、その投資を今期に前倒しすることも決算対策の効果があります。償却資産の購入も有効です。

ただし、予定の前倒しではなく必要ないのに設備投資や修繕を行って支出を計画するのは、散財に終わるリスクが高いです。大規模な投資は慎重に行い、節税のためにわざわざ不要な支出を増やさないように注意しましょう。

未使用の固定資産を処分する

最後にご紹介する決算対策は、使用していない固定資産の処分です。使っていないパソコンや機械などを処分して資産を減らし、除却損を計上する方法です。

償却資産は保有しているだけでも償却資産税が発生します。この税金は課税標準額が150万円未満の場合は非課税のため、償却資産を減らして150万円未満に抑えることは節税につながります。

3.まとめ

直前期でも効果的な決算対策ついて、7つの方法をご紹介しました。

今回ピックアップした方法をもとに正しく損益算入を行って、節税対策に役立ててください。

経費を増やせば税金が減る分、不要な支出が増え手元のお金が減ってしまう恐れがあります。

なるべく資金を残し、有効な決算対策をして、健全な企業経営を行うことが重要です。

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