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スタッフコラム

福岡事務所
2023.11.07|相続 節税

確定申告に向けて 小規模企業共済制度の活用

 11月に入り確定申告の相談を受ける機会も増えてきました。
今回は、税理士からご提案をさせて頂くメリットの大きい節税対策のうち小規模企業共済制度を解説します。
節税効果がとても高い制度ですが、聞いたことはあるけれどよくわからないという声も聞きます。
これを機に活用を頂ければ幸いです。

1.小規模共済制度の目的は退職金の積立

 将来の備え&節税を図れます。


 国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。現在、全国で約159万人の方が加入されています。掛金は全額を所得控除できるので、高い節税効果があります。将来に備えつつ、契約者の方がさまざまなメリットを受けられる小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。

 

※参考サイト

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html

2.加入できるひと、加入できないひと

▶加入できるひと

 

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

 

▶加入できないひと

 

  1. 配偶者等の事業専従者(共同経営者の要件を満たしていない場合)
  2. 協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)等の直接営利を目的としない法人の役員等
  3. アパート経営等の事業を兼業している給与所得者(法人または個人事業主と常時雇用関係にある方)(※)
  4. 小規模企業者に該当する個人事業主であるほかに小規模企業者に該当しない事業等を兼業している場合や、小規模企業者である会社等役員が小規模企業者に該当しない会社等役員を兼任している場合(いずれも小規模企業者に該当しないと加入資格がない。)
  5. 学業を本業とする全日制高校生等
  6. 会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  7. 生命保険外務員等
  8. 独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済制度」、「建設業退職金共済制度」、「清酒製造業退職金共済制度」、「林業退職金共済制度」の被共済者である場合

3.掛金は加入後も増減可能、全額が所得控除

 月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。確定申告の際は、その全額を課税対象所得から控除できるため、高い節税効果があります。

4.受取りは一括・分割どちらも可能

 共済金は、退職・廃業時に受け取り可能。満期や満額はありません。共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。一括受取りの場合は退職所得扱いに、分割受取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いとなり、税制メリットもあります。

5.貸付制度を利用できる

下記の理由があれば積立金額に応じて事業資金を借入れできます。

 

  1. 経済環境の変化等により資金繰りが困難なときに、経営の安定を図るため
  2. 疾病・負傷による入院や災害等により被害を受けた際に、経営の安定化のため
  3. 共済契約者または同居する親族の福祉向上のために必要な住宅改造資金、福祉機器購入等
  4. 新規開業・転業する際や事業多角化
  5. 事業承継(事業用資産または株式等の取得)に要する資金
  6. 個人事業の廃止または会社の解散を円滑に行うため

6.最後に

 小規模企業共済制度は節税効果が高く、かつ、掛け金の増減を月単位で選択できる柔軟さを持っています。

税理士の立場から見てもおススメの制度ですので、この機会に活用をご検討ください。

(文責:福岡事務所 中村)

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