1.第3回:子のいない夫婦で、配偶者に兄弟姉妹がいる場合
全部妻に残ると思っていた・・・ 子どもがいない夫婦に多い落とし穴
👉こんな状況の方はぜひ最後までご覧ください
【事例】
加藤さん夫婦(夫70歳・妻68歳)には子どもがなく、夫が亡くなったとき、妻は「当然すべて自分に財産が残る」と思っていました。
しかし実際には、夫の兄弟姉妹も相続人となり、法定相続分は「妻が4分の3、兄弟姉妹が4分の1」。
疎遠でも権利は平等なので、兄弟姉妹は自宅や預金の分け方に口を出すことができます。
法定相続分はあくまで法律上の取り分の目安であるため、最悪の場合は兄弟姉妹から法定相続分以上の取り分を要求されることもあります。
話し合いが長引けば銀行口座が凍結され、生活費に困ることも。
さらに分け方が決まらないまま相続税の申告期限(10か月)が来ると、相続税の特例である配偶者の税額軽減(配偶者の相続税を大幅に減らすことができる制度)や、小規模宅地の特例(自宅土地などの相続税評価額を下げて相続税を大幅に減らすことができる制度)が使えず、大きな相続税負担を抱える可能性もあります。
【対応】
加藤さんは、公正証書遺言で「すべての財産を妻に」と明記。
遺産の分け方について妻が兄弟姉妹と話し合う必要もなくなり、妻が安心して自宅で生活を送れるようにしました。
遺言執行者(遺言書の内容に従って相続手続きを実現する役割の者)を専門家に依頼し、名義変更などの面倒な手続きをまとめて任せられるようにしました。
【結果】
相続は遺言書どおりに進み、妻は「夫が自分のことを最後まで想ってくれていた」と安心し、兄弟姉妹との人間関係に悩むことなく、落ち着いた日常を続けられました。
大切な住まいと生活が守られたことで、悲しみの中でも心穏やかに過ごすことができました。
兄弟姉妹には遺留分(相続人の最低限の取り分)がないため、遺言書の内容がそのまま実現でき、相続手続きも円滑に進みました。
【まとめ】
子どものいないご夫婦こそ、早めの遺言書の作成が安心できる暮らしを守るカギです。**「妻のために(夫のために)、住まいと生活費をどう残すか」**を考えて準備しておきましょう。
👉 「私たちも備えておきたい」と思われた方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
(文責:相続オフィス 森)
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