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2023.08.17|事業承継 節税

期限迫る!特例承継計画の提出はお済みですか?

 中小企業の事業承継において、後継者が株式を承継したことにより負担しなければならない贈与税・相続税が、円滑な事業承継の妨げとなるケースが多くみられます。

 そのような状況を回避するために、2009年度の税制改正で「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)が制定されました。
 非上場会社の後継者が、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合に、その株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもとで納税猶予の適用が受けられ、後継者が死亡した場合に納税が猶予されている贈与税・相続税が免除されるという制度です。

 さらに2027年12月31日までの10年間の期間限定で、経営承継円滑化法の中の「法人版事業承継税制」が拡充され、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限の撤廃や、納税猶予割合の引上げ等がなされた特例措置が創設されています。

 今回のコラムでは、法人版事業承継税制の期間限定の特例措置と一般措置の違いを中心に解説していきます。

1.【法人版事業承継税制とは】

 法人版事業承継税制とは、非上場会社の後継者が、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合に、その株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもとで納税猶予の適用が受けられ、後継者が死亡した場合に納税が猶予されている贈与税・相続税が免除されるという制度です。

 

 2009年度の税制改正で創設された制度ですが、2018年度の税制改正でこれまでの措置に加え、2027年12月31日までの10年間の期間限定で納税猶予の対象となる非上場株式等の制限の撤廃や、納税猶予割合の引上げ等がなされた特例措置が創設されています。

2.【特例措置と一般措置の比較】

特例措置と一般措置で大きく異なる点は以下のとおりです。

 

「事前の計画策定等」
特例措置:6年以内の特例承継計画の提出(2018年4月1日から2024年3月31日まで)
一般措置:不要

 

「適用期限」
特例措置:10年以内の贈与・相続等(2018年1月1日から2027年12月31日まで)
一般措置:なし

 

「対象株式」
特例措置:全株式
一般措置:総株式数の最大2/3まで

 

「納税猶予割合」
特例措置:贈与税・相続税ともに100%
一般措置:贈与税100%、相続税80%

 

「対象となる後継者の人数」
特例措置:最大3人の後継者
一般措置:1人の後継者のみ

 

「雇用確保要件」
特例措置:事業承継後5年間平均で事業承継時の雇用の8割を下回った場合には都道府県への報告の提出と確認が必要
一般措置:事業承継後5年間平均で事業承継時の雇用の8割の維持が必要

 

「事業の継続が困難となった場合の納税猶予税額の免除」
特例措置:あり
一般措置:なし

 

「相続時精算課税制度の適用」
特例措置:60歳以上の者から18歳以上の者への贈与
一般措置:60歳以上の者から18歳以上の推定相続人(直系卑属)・孫への贈与

 

引用:非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022005-016_01.pdf

 

詳細は上記国税庁のあらましをご参照ください。

3.【特例承継計画とは】

 特例承継計画とは、後継経営者が先代経営者から株式等を承継するまでの期間の事業計画と、後継後継者が株式等を取得した後の5年間の事業計画を記載したもので、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の指導及び助言を受けたものをいいます。

 

 策定した計画は2024年3月31日までに都道府県知事に提出し、確認を受ける必要があります。

4.【まとめ】

 納税猶予の特例措置の適用を受けるためには2024年3月31日までに特例承継計画を策定し、都道府県庁に提出して知事の確認を受ける必要があります。

 

 また、特例承継計画の提出にあたっては、認定経営革新支援機関による所見の記載が必須となりますので、経営革新等支援機関の認定を受けているひかり税理士法人にまずはご相談ください。

 

(文責:滋賀事務所 重岡)

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