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スタッフコラム

相続オフィス
2026.01.05|相続

公正証書のデジタル化が相続・遺言に与える影響とは?

 2025年10月から、公正証書の作成手続についてデジタル化が開始しています。
これまで公正証書は、原則として公証役場に出向き、公証人と直接対面して本人の意思や内容を確認する必要がありましたが、今後はデジタル技術を活用した新しい手続きが導入されます。
日本公証人連合会の公表資料でも、オンラインでの手続や電子データによる公正証書の作成・保存について紹介されており、相続や遺言の分野にも少しずつ変化が生じることが予想されます。

1.公正証書遺言もデジタル化の対象に

 公正証書遺言は、「公証役場で公証人に作成してもらう」遺言です。「証人2名の立会いが必要」、「原本は公証役場に保管される」など法律的な安全性が高く、相続トラブルを防ぐ方法として多くの方に利用されています。
今回の制度改正では、一定の条件を満たす場合に、
・メール等による手続のやり取り
・ウェブ会議を利用した公正証書の作成
・電子データとしての公正証書の作成・保存
といった仕組みが導入されます。
インターネット環境や、証人2名の立会いは必要であるものの、遠方にお住まいの方や外出が難しい方でも、公正証書遺言を作成しやすくなるなど利便性の向上が期待されます。
ただし、手続きが簡単になるからといって、内容の検討をおろそかにしてよいわけではありません。

2.相続対策の視点から見た注意点

 遺言は、単に財産の分け方を決めるだけのものではありません。
ご家族関係や相続税の負担、相続後の手続きのしやすさにも大きく影響します。
そのため、
・ご本人の意思が正確に反映されているか
・内容を十分に理解したうえで作成されているか
・将来の相続税や二次相続まで見据えた内容になっているか
といった点は、これまで以上に重要です。
特にデジタル手続では、「便利だから」という理由で進めてしまい、十分な検討をしないまま作成してしまうリスクもあります。

3.専門家のサポートが重要な理由

 相続や遺言は、法律や税金の知識が必要な分野です。専門家のサポートを受けることで、次の3つの大きなメリットがあります。
●正確で安心な遺言作成
遺言には決まった形式や手順があります。専門家がサポートすることで、法律のルールに沿った正しい遺言を作ることができ、後でトラブルになるリスクを減らせます。
●将来の税負担を見据えた対策
遺言の内容によって相続税額が変わることがあります。事前に税理士がシミュレーションすることで、無駄な税負担を抑えられます。
●将来のトラブル防止
家族関係や財産の状況を整理しながら作成することで、相続後の争いを未然に防ぐことができます。

4.正しく準備して将来の安心へ

 公正証書のデジタル化は、相続対策をより身近に、便利にする可能性があります。
しかし、制度が変わっても最も大切なのは、内容をきちんと考え、将来まで安心できる形にすることです。
デジタル手続きの便利さを上手に活用しながら、専門家のサポートを受けて準備することで不安を減らし、ご家族に安心を残すことができます。
気になることや不安な点があれば、早めに専門家に相談することが、将来の安心につながります。

 

(文責:京都事務所 布施)

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