Menu

Column

スタッフコラム

京都事務所
2022.05.09|相続

払い過ぎた相続税は取り戻せる?~更正の請求~

相続税は、他の税金とは異なる特色を持っています。それは、基本的に相続財産はすべて国税庁が定める財産評価基本通達によって評価されるという点です。
「国が定める基準があるならば、誰が評価しても結果は同じだろう。まして税理士が計算すれば間違えるわけがない。」
確かに常識的に考えればそのとおりなのですが、現実はそうではありません。財産評価にあたって、最も知識と経験を要するのが土地の評価ですが、土地はその形状や利用の状況、周辺の環境などによって、評価の方法が大きく異なり、その結果も大きく変わります。税の専門家である税理士といえども、そのすべてに精通しているという訳ではありませんから、他の税理士に再計算させたら税金の払い過ぎを指摘されたなどということも少なくないようです。
 このように過去に申告・納税した相続税について、財産の評価が適切でなかったり、計算そのものに誤りがあって納税が過大であったことが後日になって判明した場合には、税務署に「更正の請求」をすることによって、払い過ぎた税金を取り戻すことができます。

1.更正の請求をすることができる期間

相続税の申告期限は被相続人が亡くなってから10か月以内となっていますが、その申告期限から5年以内については、更正の請求をすることができます。

なお、贈与税に係る更正の請求は、申告期限から6年以内にすることができます。

 

更正の請求が可能な期間

相続税

5年

贈与税

6年

2.相続税特有の事由による更正の請求

単純な計算ミスなどで税金の計算を間違えることは、相続税に限らず所得税や法人税でも起こることですが、相続税には、計算ミス以外の特殊な事由によって、既に提出した申告書の内容が変わり、その結果、納めた相続税が過大となるケースがあります。

このような相続税特有の事由で税金の還付を請求する場合は、上記1.で解説した期間ではなく、その事由が発生した時から4か月以内に更正の請求をすることになります。

  • 「相続税特有の事由」とは

(1)遺産分割がまとまらず、法定相続分で申告していたが、申告期限後に遺産分割が確定したことにより、各相続人の課税価格が変動した場合

(2)相続人の立場に関する裁判の確定などの事由により、相続人に異動があった場合

(3)遺留分の侵害額請求があった場合

(4)遺贈に関する遺言書が発見されたり、遺贈の放棄があった場合

(5)申告期限後3年以内に遺産分割が行われ、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例が適用された場合

3.相続税の申告は専門の税理士に依頼する

国税庁の統計データによると、2019年の更正等による相続税の還付額は、約6,800件で金額にして447億円強とされています。その主な理由は、不動産の評価誤りによって当初の申告納税額が過大であったものと推測されます。

「家の近所だから」「報酬が安かったから」というのも税理士を選ぶ要素ではありますが、相続税の申告は、経験が豊富で知識も理論だけではなく実務をベースに習熟している専門の税理士に依頼することが得策といえます。当事務所は、相続税専門税理士・専門部署を設け多数の申告実績があります。相続税申告で税理士をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

税理士変更をお考えの方はこちら
メールマガジン
登録
お見積り
ご相談