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スタッフコラム

京都事務所
2019.03.04|税制改正

消費税軽減税率に対応するレジの準備はできていますか?



2014年4月に5%から8%に引き上げられた消費税率が、2019年10月以降に10%へと引き上げられようとしています。

政府は、この増税に対応し、年金の前倒し支給や、中小小売店におけるキャッシュレス決済によるポイント還元、すまい給付金の拡充等、前回の増税時における消費の落ち込みを踏まえた対策を検討しているといいます。

そもそも消費税の税率が、現状より2%引き上げられるという点においては、我々一般消費者からすると良いイメージがないところではありますが、財源の確保の面では大きな役割を果たすものです。

今回の増税において、新たに設けられた大きな制度として「軽減税率制度」が実施される予定であり、大企業のみならず中小企業の事業主にとっても影響を及ぼすこととなりますので、今一度制度の仕組みと対応について下記において確認するとともに、飲食店等では実務的に最も影響のある、「レジ」の側面について確認したいと思います。

1.軽減税率ってどんなものが対象になるの?

さて、この消費税の「軽減税率」ですが、対象品目によっては従来の8%でいいよという制度になっています。

対象品目は大きくは、下記の2点となります。

 

・飲食料品

飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(酒類を除きます。)をいい、玩具付きのお菓子のように食品と食品以外の資産が一体となっている資産を含みます。

一方で、外食やケータリング等は、軽減税率の対象品目には含まれません。

 

 

・新聞

新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものです。

 

大きくは上記2点が軽減税率の対象となるのですが、

2.インボイス制度(帳簿・請求書の発行)

標準税率10%の取引と軽減税率8%の取引の区別が必要ですので、これまでの記載事項に加え、税率別に区分した請求書の発行・保存及び帳簿上の記帳が必要となります。

請求書については課税事業者であれば2019年10月~2023年9月までは「区分記載請求書等」、2023年10月以降は「適格請求書等」の要件にしたがった請求書を販売側の事業者は発行し、また仕入・経費支出側の事業者は保存することになります。

こちらの「請求書等」には、小売業者が交付するレシートなど取引の事実を証する書類も含まれることになり、複数税率のレシート発行のためには、現状のシステムの改修やレジの入れ替えが必要になってきます。

3.軽減税率対策補助金を活用した「レジ」の導入

上記の内容も踏まえると、軽減税率導入に伴い、飲食店等において実務面で最も影響があるのは、実際に一般消費者に対面する「レジ」ではないでしょうか。

税率を簡単にカスタマイズできるレジシステムであれば問題ないのでしょうが、軽減税率の対象がある事業所にとっては複数の税率を登録する必要があり、また前述のとおり、会計後にお客様に渡すレシートも特段の対応必要があります。

しかしながら中小事業主にとってレジの入れ替えコストは相当ハードルが高いものと思われます。そこで、政府としてはレジの入れ替えをサポートするという観点から補助金制度を用意しています。また、主に飲食良品を取り扱う事業者に対する政府による調査によると、軽減税率制度の導入に当たり、レジシステム等改修の「準備を始めている」と回答したのが37%だったという結果が出ており、対応不足な部分が否めません。

 

そこで、複数税率への対応が必要となる中小企業・小規模事業者に対し、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修などをおこなうための、経費の一部を 国が補助してくれる制度として軽減税率対策補助金がございます。

 

〔参考URL:軽減税率対策補助金〕

http://kzt-hojo.jp/

 

 

「複数税率対応レジによる導入等支援」による補助金

  • 対象者は、複数税率対応のレジが必要となる中小の小売事業者(複数対応レジを持たないものに限る)となっています。
  • 補助額はレジ1台あたり20万円が上限で、補助率は原則2/3となっています。
  • 例外として、タブレット等の汎用端末は周辺機器とのセット購入のみ補助対象となっており補助率が1/2という条件となっているほか、1台のみ購入する場合で、かつ導入費用が3万円未満の機器については、補助率が3/4受けられるなどの内容となっています。

 

 

【参考導入事例】

iPad37,790円(税抜)⇒実質負担18,900円(税抜)

レシートプリンター内蔵キャッシュドロア54,800円(税抜)⇒実質負担18,267円(税抜)

 

  • 商品マスタの設定や機器設置に費用を要する場合は、上記とは別に1台あたり20万円を上限に支援し、複数台申請等については1事業者あたり200万円が上限となっています。

 

 

「受発注システム改修等支援」による補助金

  • 対象者は、電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う必要がある中小の小売事業者、卸売事業者で、補助率は原則2/3となっています。
  • 補助の上限金額は小売事業者の発注システムの場合は1,000万円、卸売事業者の受注システムの場合は150万円、発注・受注システム両方の場合は1,000万円となっています。

4.「クラウド型POSレジ」レジのススメ

近年、街中の飲食店やブティックでは、「クラウド型POSレジ」導入を進めている店舗をよく見かけます。
従来型のいわゆる「ガチャレジ」では、あくまでも、会計機能と売上の集計機能しか備わっておらず、上述のとおり、軽減税率に対応するにも相当のコストと労力を必要としていました。

一方で「クラウド型POSレジ」は、様々な側面からの分析機能がクラウドを通じてリアルタイムで利用可能となっており、操作性も訓練の時間を要さない簡易的な造りとなっているのが特徴です。何よりも特筆すべきなのが、コストの安さです。イニシャルコストについては、従来型の「ガチャレジ」が数十万円~数百万円かかる場合もあるのに対し、「クラウド型POSレジ」は、タブレット端末やキャッシュドロア等数万単位で済みますし、軽減税率についてもシステムのアップデートで対応し、ランニングコストについても各社様々ですが、最低限のプランであれば基本0円ですので、少しでもコストを抑えたいという経営者の方にとっては最高の武器ではないかと思います。

5.まとめ

いかがでしょうか?ご自身の販売する商品・提供するサービスは軽減税率に該当していましたか?また、利用されているレジシステムや請求書の発行方法を1年後にスムーズに移行できそうですか?

 

1年という期間は本当にあっという間です。いつの間にか税率があがってた!なんてことでは手遅れです。早めの準備をして頂ければと思います。

弊社は軽減税率の対象となるクラウド型POSレジ導入のサポートもさせて頂いておりますので、細かい内容につきましては、弊社へのお問い合わせもしくは、下記ページをご参照いただければと思います。

 

〔参考URL〕

政府広報サイト
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/keigen_zeiritsu/

軽減税率対策補助金特設サイト(中小企業庁)
http://kzt-hojo.jp/

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