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スタッフコラム

京都事務所
2021.05.24|税制改正

続編「脱はんこ文化」実現へ。確定申告・年末調整の押印不要に

河野太郎行革大臣が各府省にハンコ廃止を要請したことを契機に、行政手続の脱ハンコが進んでいます。税務署に提出する税務関係書類についても、令和3年4月1日より、実印及び印鑑証明書を求めている手続等を除き、押印が不要となりました。

1.改正前の取り扱い

国税の税務関係書類を書面で提出する場合、国税通則法という法律により押印が必要とされています。国税の税務関係書類の提出を電子にて行う場合には、書面提出ではないため、押印不要となっていますが、電子にて提出する場合には、電子証明書が必要となります。

国税通則法 第124条 書類提出者の氏名、住所及び番号の記載等
2 税務書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が押印しなければならない。
一 当該税務書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者
二 納税管理人又は代理人によつて当該税務書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人
三 不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出する場合 当該総代
四 前3号に掲げる場合以外の場合 当該税務書類を提出する者

2.改正後押印不要となった書類

確定申告書を含めた税務署や地方自治体に提出する税務関係書類については、原則、押印不要となりました。

<押印不要となった手続きの具体例>
・確定申告書、法人事業税申告書、更正請求書
・各種届出書
 法人設立・異動届出書
 個人事業の開業届出・廃業届出書
・年末調整関係書類
 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
 給与所得者の保険料控除申告書
 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除の申告書

※令和3年4月1日以降に提出するものに適用されます。
またそれ以前に提出したもので押印がなくとも、改めて押印をもとめないこととされています。

3.改正後も引続き押印が必要な書類

改正後も、実印の押印と印鑑証明書の提出を求める書類、財産の分割の協議に関する書類については、引続き押印が必要です。

<押印が必要な手続きの具体例>
・担保提供関係書類
 不動産抵当権設定登記承諾書、第三者による納税保証書
 ※担保提供者や保証人等の真意を確認するため,実印の押印と印鑑証明書の添付が必要となります。
・遺産分割協議書
 相続税・贈与税の特例における添付書類
 全ての共同相続人等の実印による押印があるものの写しである必要があり,印鑑証明書の添付も必要となります。

また、振替納税やダイレクト納付を利用する場合の振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、金融機関からの求めに応じ、引き続き金融機関届出印(銀行印)の押印が必要です。
これらの手続きは国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用してオンラインで行うことができ、その場合、押印は必要ありません。

(参考:国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r02/oin/index.htm

4.まとめ

押印廃止により書面手続きの簡素化、さらにはペーパレス化につながります。税務関係書類については、国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用や年末調整の電子化など、少ないコストでペーパレス化を図ることが可能です。
今回は税務関係書類についてのご紹介でしたが、契約書や請求書、社内書類の決裁についても、脱ハンコ・ペーパレス化可能なものはないか、一度検討してみてはいかがでしょうか。ペーパレス化により業務効率化につなげたいものです。

(文責:京都事務所 大松)

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