Menu

HAG Report

HAGレポート

ひかりアドバイザーグループでは、定期的にニュースレター「HAGレポート」を発行し、関与先様へお届けしています。過去のHAGレポートはこちら

全拠点
2022.11.01|HAGレポート

HAGレポート2022年11月号

1.コロナで変容した社会の在り方

 10月11日から入国検疫が大幅に緩和され、コロナ禍以前と変わらない手続きで日本への入国が可能になりました。そのせいか京都市内でも、ちらほらと外国人観光客の姿を見かけるようになり、およそ2年半に渡った厳しい自粛生活も一区切りを迎えたように感じます。本稿の執筆時点では、京都市内での1日あたり感染者数は500人前後で推移していますが、これから寒くなるにつれ、再度の感染拡大が起こらないことを祈るばかりです。長いコロナ禍では、失われてしまった機会・習慣がある一方で、新しい生活様式への適合のために、新しい文化・風習も根付き始めました。それらの中でも、リモート化・オンライン化は群を抜いてビジネスへ与える影響が大きいものと思われます。本稿では、登記実務を中心に、法律分野におけるオンライン手続きについてご紹介いたします。

 

登記業務のオンライン化

 実は、不動産登記・商業法人登記においては、今回のコロナ禍に先んずること15年ほど前から順次オンライン化されています。現在では、一部の物件を除き全ての法務局に対する登記申請がオンラインで行えるようになっています。不動産登記と商業法人登記で制度が異なるので、それぞれの現状を俯瞰してみます。

 

(1)不動産登記

 不動産登記の申請は、制度上オンライン化されていますが、実際の取引はまだまだ書面とハンコがメインです。司法書士が作成する申請書はオンラインで送信しますが、申請書以外の添付書面は書類を郵送しています。これは、①実印と印鑑証明書による意思と本人性を確認する必要があること、②住民票や戸籍といった公文書が電子化されていないことなどが理由です。万が一にも間違いがあってはいけない不動産取引の現場においては、確実を期すためにオンライン化できない部分が残っているのです。

 ①の点については、マイナンバーカードに付与された電子証明書を「実印+印鑑証明書」に代えて利用することが制度上は可能です。ただし、マイナンバーカードで電子署名された電子データが「実印+印鑑証明書」と同じ証明力を持っていると世間一般で認知されているのかは疑問が残ります。

 ②の点については、将来的に解決する可能性があります。2019年に戸籍法が改正され、本籍地以外の市区町村でも戸籍謄抄本が取得できるようになり、「戸籍電子証明書」が発行されることになります。法務省は、令和5年度中にこの制度の運用開始を予定しており、不動産登記にも徐々に完全オンライン化の波が押し寄せていると言えるでしょう。

 

(2)商業法人登記

 オンライン化という点では、商業法人登記部門が一歩先を進んでいます。最近の出来事ですが、2021年2月15日より改正商業登記規則が施行され、法人の印鑑届が任意となりました。従前は、会社を設立すると「会社の実印」を作成して法務局に届け出る義務があったところ、「会社の実印」を持っていない会社が存在できるようになったのです。

 「会社の実印」を持たない会社では、当然のことながら印鑑証明書が発行できないので、法務局発行の電子証明書などの各種電子証明書を使って各種契約を締結することになります。

 

周辺分野の脱ハンコ・オンライン化

 登記以外の法律分野に目を向けてみると、2020年に始まった脱ハンコの号令により、瞬く間に政省令が改正され、行政手続きから押印義務が駆逐されました。内閣府の発表によれば、令和3年度末までに廃止された押印手続きは8,975種類に上るそうです。

 最もオンライン化に馴染まないと思われていた裁判手続きも、民事訴訟法が改正され、順次、弁護士・司法書士が代理する裁判はオンライン化が義務化されることになりました。刑事訴訟法も改正の審議が始まっており、時間の問題かと思われます。

 

ハンコは無くなる?

 このように、様々な場面で脱ハンコ・オンライン化が進んでいます。では、制度が整えば一気呵成にハンコ文化を捨てて、電子の世界に移行できるのでしょうか?これは難しいと考えます。電子証明書は確かに便利ですが、証明の有効期限が存在します。長いものでも5年程度で有効期限が過ぎますので、以後は署名者や改ざんされていないことの証明ができなくなってしまうのです。長期化に向けた技術開発は続いているようですが、確立した運用がない以上、重要な契約には利用しないのも一つの選択肢となり得ます。

 また、電子契約をするには、契約当事者の全員が電子署名を行うことが原則になります。ひとりでも電子証明書を持っていない当事者がいれば、従前通りの書面とハンコで契約することになります。

 

結びに代えて

 各種の法改正を経て、法律分野でも脱ハンコ・オンライン化は回帰不能点を超えたと思われます。しかし、確定した判例理論なども無く、まだまだ手探りの状況が続くでしょう。制度運用が成熟するまでの間はハンコとオンラインの両方をうまく使っていく必要があります。

【文責】ひかり司法書士法人 上田

2.自然災害へのリスク対策を考える

 近年、激甚な自然災害が多発しており、全国の広い範囲で毎年多くの被害が発生しています。これらの現象には、地球温暖化の影響が大きく関係していると言われていますが、疑う余地がないように思われます。さらに、気象庁が定める台風の勢力で最も強いとされる「猛烈な台風(最大風速54m/s以上)」の出現頻度も年々増加しており、更なる自然災害へのリスクが高まっています。
 相次ぐ自然災害に対しての火災保険の支払額も増加傾向にあることから、2022年10月より損害保険会社各社にて火災保険料が値上げされました。火災保険の保険料は、損害保険料率算出機構が算出する参考純率を参考にして各保険会社が決定しますが、この参考純率が全国平均で過去最高の10.9%の引き上げとなっています。
 さらに今回の改定では、火災保険の保険期間も最長10年から5年に短縮されました。これは自然災害リスクが大きく変化している中で、長期的なリスク評価が難しくなっていることが理由となりますが、これらも実質的な値上げとなります。
 今後の火災保険については、自然災害リスクに十分に備えられているかどうか、また火災保険料コストの適正化に向けた定期的な見直しが大切になります。

資料:一般社団法人 日本損害保険協会より

 

火災保険の見直しのポイント

 

①免責金額を設定
 免責金額を高く設定することで保険料を抑えることが可能です。ただし、事故の際の自己負担額も大きくなりますので、慎重にご検討ください。火災・風災・水災以外の不測かつ突発的な事故を補償できる「破損・汚損」の免責金額は5万円に引き上げられています。

 

②補償内容は適切か
 特に水災リスクが低いエリアや高層階のマンションでは、水災補償を外すことで保険料を抑えることができます。とはいえ、近年は想定を超える水災被害も多く発生していますので、市区町村のハザードマップなどを確認し、適切な判断で補償内容を検討しましょう。

 

③長期契約を活用する
 自然災害のリスクは年々高まっており、今後さらに保険料の値上げも十分考えられます。最長5年に短縮されましたが、1年契約よりも保険料の支払総額を抑えることが可能になります。

 

おわりに

 火災保険を見直す時は、地震保険も合わせて検討することをお勧めします。地震・津波・噴火などによる火災や倒壊の被害は火災保険だけでは補償されませんので、見直しの際には、ぜひ地震保険も検討しましょう。

【文責】ひかり財産戦略株式会社 宮脇

3.パートタイマー等の社会保険の加入条件が変わります!

 2017年4月より従業員501人以上の企業、2022年10月より従業員101人以上の企業の社会保険加入の適用範囲が拡大されました。さらに今後、2024年10月より従業員51人以上の企業も社会保険の適用範囲が拡大されます。ここでは、新しい加入者の把握方法や制度変更のポイントをご紹介いたします。

 

①自社が改正の対象になるか確認しましょう

 従業員数は「フルタイムの従業員」と「週労働時間・月所定労働日数がフルタイムの4分の3以上の従業員」の合計(現在の厚生年金保険の適用対象者と同じ)で判断します。

 この合計従業員数が101人以上の企業について、2022年10月から社会保険の適用範囲が変更されました。

 

②新たな社会保険加入対象者を把握しましょう

 新たに社会保険加入の対象となるのは、以下のすべての条件を満たすパート・アルバイトの方です。

 

 □週の所定労働時間が20時間以上

  契約上の所定同労時間であり、臨時に生じた残業時間は含みません。

 

 □月額賃金が8.8万円以上

  基本給と諸手当の合計で判断し、次のものは含まれません。

  ・臨時に支払われる賃金(結婚祝金等)

  ・1月をこえる期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

  ・時間外労働、休日労働、深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)

  ・最低賃金において算入しないことを定める賃金(皆勤手当、通勤手当、家族手当)

 

 なお、時給や日給で月額賃金が8.8万円を超えたり超えなかったりする場合は、同様の業務内容で、同様の報酬の方の資格取得前の1ヵ月間の報酬を参考にします。

 

 □2ヵ月を超える雇用の見込みがある

 

 □学生ではない

  卒業後も雇用見込み、休学中、夜間学生の場合は加入対象となります

 

③社内に周知し対象者に説明しましょう

 対象者が把握できたら、新たに加入対象となる方に確実に伝わるよう社内システムやメールなどで通知し、対象者を集めた説明会か個別面談のどちらかで説明します。

 説明にあたっては下記のポイントを伝えるよう心がけましょう。

 

 □社会保険の新たな加入対象者となったことを伝える

 

 □社会保険加入のメリットやデメリットを伝える

  ・保険料は半額を会社が負担します

   →社会保険料が給与天引きとなるため給与の手取り額が減りますが、保険料が会社と折半になることで国民年金と国民健康保険の保険料負担と比べて安くなる場合もあります。

  ・年金の保障が充実します

   →基礎年金に加え厚生年金を受け取れるようになり、老後・障害・死亡の保障が充実します。

  ・医療保険の給付が充実します

   →傷病手当金(病休期間中に給与の2/3相当を支給)と、出産手当金(産休期間中に給与の2/3相当を支給)が受け取れるようになります。

  ・配偶者の扶養の範囲が変わります。

   →配偶者の社会保険上の扶養に入るための条件が年収130万円未満から年収106万円未満(月額8.8万円未満)に変わるので注意が必要です。

 

 □今後の労働時間などについて話し合う

  本人が希望すれば労働時間の延長や正社員への転換を検討しましょう。

 

④書類を作成し届出をしましょう

 従業員との調整が終わり、加入者が決まったら、社会保険の「被保険者資格取得届」を提出します。オンラインでの提出がおすすめです。

まとめ

 従業員ごとに考え方が違うので、自社の状況が把握できた段階で、従業員の希望をどの程度受け入れるのかなど、会社の方針を明確にしておく必要があるのではないでしょうか。

 施行期日より前に適用拡大すると受けられる助成金や優先的に支給される補助金もありますので、この機会にご検討ください。

《参考》厚生労働省~社会保険適用拡大特設サイト~

 https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/index.html

 

【文責】ひかり税理士法人 大谷

4.顧問先紹介『べ・レギューム・ア・ターブル様』

 今回は京都市中京区にありますフランス料理店「べ・レギューム・ア・ターブル」様をご紹介します。

 店名は「食卓の上に野菜を」を意味しており、肩肘張らずに気楽に楽しんでいただける空間を目指し、京野菜を中心に旬のおいしい野菜と食材のマリアージュを楽しんでいただきたいというシェフの想いが込められたお店です。

 京野菜を中心に提供されるお料理は、食べる方の健康が考えられています。また、こだわりの旬の野菜を最高の状態で楽しんでいただくために、ひとつひとつの味付けにもこだわっておられます。

 

 

 シンプルな清潔感のある店内で、落ち着いた雰囲気の中、ゆったりとお食事をお楽しみいただけます。 シェフのこだわりフルコースに魅了され、ついついワインがすすんでしまうというお客様の声も多く聞かれます。

 

 10月1日より「おせち料理・お正月用スモークサーモン」の御予約受付が始まりました。 数に限りがありますので、ご興味がある方はご予約をお願いします。

 なお、おせち料理は50個限定につき、なくなり次第終了となりますのでお早めに店舗にお問い合わせくださいませ。 今年度より、発送での対応も可能となりました。(関東〜九州の地域に限ります)

 

べ・レギューム・ア・ターブル
◆住所:京都市中京区四条通油小路上ル3軒目藤本町559-1
◆営業時間:

ランチ 11:30~15:00(L.O.14:00)
ディナー 18:00~21:30(L.O.20:00)
◆定休日:木曜日、第1日曜日、第3日曜日

◆ぐるなびURL:https://r.gnavi.co.jp/mg2z7ez90000/

◆FacebookURL:https://onl.la/5BYbzp2

◆TEL:075-213-5563

【文責】ひかり税理士法人 高塚

Other Report

他のHAGレポートを見る

レポート一覧へ
メールマガジン
登録
お見積り
ご相談