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資金繰り表がわかる、つくれる、使えるようになる!

2017.08.21 経営

 「来月以降の資金繰り表を作成して、今月中に提出してくださいね!」

 金融機関からこんなことを言われた経験はないでしょうか?

 そうは言ってもつくり方もわからないし、見方もわからないし、そもそも資金繰り表って何なの?という方も多いはずです。

 今回は資金繰り表についてお話をしていきます。

資金繰り表って何?

 資金繰り表とは、一定の期間に会社に入ってくるお金と会社から出て行くお金を、時期・項目・金額などの観点から分類して集計したものです。
資金繰り表を作成すれば、いつどこからいくらのお金が入ってきて、いつどこへいくらのお金が出て行くのかを把握することができます。
その結果いつになればいくらお金に余裕ができるのか、いつになればいくらお金が足りなくなるのかを知ることができるのです。

 資金繰り表には過去の資金繰りを集計した「実績資金繰り表」と、今後の資金繰りを集計した「予定資金繰り表」があります。
また、一般的には月単位で作成する「月次資金繰り表」と、日単位で作成する「日次資金繰り表」の2つの種類があります。

 資金繰りにある程度余裕があり毎月の支払が問題なくできているというような場合には月次資金繰り表をつくれば十分ですし、資金繰りに余裕がなく月の中で手元のお金に余裕がない日があるような場合には日次資金繰り表もつくるとよいでしょう。

なぜ資金繰り表が必要?

 資金繰り表はなぜ必要なのでしょうか。

 「黒字倒産」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。
会社の業績は黒字で利益が出ているのに、お金が足りないために倒産してしまうことを黒字倒産と言います。

 逆に会社の業績が赤字で利益が出ていなくても、手元にお金さえあれば倒産をすることはほぼありません。黒字倒産をしないためには資金繰り表の作成は必要不可欠です。資金繰り表を作成し、いつお金が不足するかを予測できていれば、金融機関から借入を行ったり、取引先への支払いを調整したりして最悪の事態を回避することも可能です。

利益が出ているのにお金が足りないってどういうこと?

 あなたが会社を経営していると考えてみてください。
8月1日から8月31日の1ヵ月間で100万円の仕入を行い、150万円の諸経費を支払って、300万円の売上を上げたとします。

 1ヵ月間の損益計算書上の利益計算は以下のとおりです。

売上 300万円
仕入 100万円
諸経費 150万円
利益 50万円

 このように50万円の利益が出ています。それではお金の流れはどうなっているでしょうか。
同じ300万円の売上、100万円の仕入、150万円の諸経費、50万円の利益でも、次の3つのパターンそれぞれ全てでお金の流れは違います。

1.売上を現金回収、仕入を現金払い、諸経費を現金払いした場合

 8月1日から8月31日の1ヵ月間の資金繰り表上の現金収支計算は以下のとおりです。

入金…売上 300万円
出金…仕入 100万円
諸経費 150万円
収支 50万円

⇒(損益計算書上の利益)=(資金繰り表上の現金収支)となります。

2.売上を現金回収、仕入を掛け払い(9月20日支払い)、諸経費を現金払いした場合

 8月1日から8月31日の1ヵ月間の資金繰り表上の現金収支計算は以下のとおりです。

入金…売上 300万円
出金…仕入 0万円
諸経費 150万円
収支 150万円

⇒(損益計算書上の利益)<(資金繰り表上の現金収支)となります。

3.売上を掛け回収(9月20日回収)、仕入を現金払い、諸経費を現金払いした場合

 8月1日から8月31日の1ヵ月間の資金繰り表上の現金収支計算は以下のとおりです。

入金…売上 0万円
出金…仕入 100万円
諸経費 150万円
収支 △250万円

⇒(損益計算書上の利益)>(資金繰り表上の現金収支)となります。

 3.のパターンが先程お話した黒字倒産の状態になります。
損益計算書上の利益は出ているものの、回収・入金のタイミングよりも支払い・出金のタイミングが先にやってくるために、手元の資金がショートしてしまう状態です。

資金繰り表のつくりかた

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①営業収入現金での売上、売掛金の回収、手形の期日回収など、営業活動でのお金の入金をそれぞれ記入します。

②営業支出現金での仕入、買掛金の支払、人件費の支払、家賃の支払、諸経費の支払、税金の支払、手形の期日決済など、営業活動でのお金の出金をそれぞれ記入します。

③営業資金収支過不足営業活動に直接関係するお金の出入りの差引を記入します。
(営業収入)-(営業支出)と一致します。

④財務等収入借入金の入金、手形の割引、定期預金や定期積金の引出など、営業活動とは直接関係のないお金の入金をそれぞれ記入します。

⑤財務等支出借入金の返済、定期預金や定期積金の引出など、営業活動とは直接関係のないお金の出金をそれぞれ記入します。

⑥財務等資金収支過不足営業活動と直接関係のないお金の出入りの差引を記入します。
(財務等収入)-(財務等支出)と一致します。

⑦収入合計営業収入と財務等収入の合計、つまり会社全体の収入の合計を記入します。

⑧支出合計営業支出と財務等支出の合計、つまり会社全体の支出の合計を記入します。

⑨総合資金収支過不足会社全体のお金の出入りの差引を記入します。

前月繰越前月から繰り越された現金預金の残高を記入します。

次月繰越翌月に繰り越す現金預金の残高を記入します。
(前月繰越)+(総合資金収支過不足)と一致します。

資金繰り表活用のために

 資金繰り表には一般的に、月単位で作成する月次資金繰り表と、日単位で作成する日次資金繰り表の2つの種類があります。
また、それぞれに過去の資金繰りを集計した実績資金繰り表と、今後の資金繰りを集計した予定資金繰り表がありますが、会社経営にとってより重要なのは「予定資金繰り表」です。
予定資金繰り表の「次月繰越」がマイナスにならないように、常に収支の管理をしていきましょう。

 収支の改善には様々な方法がありますが、代表的なものは以下のとおりです。
ただし、取引先との取引条件の変更は、与信の悪化や信用の低下に繋がる恐れがありますので、安易に行わないようにしてください。

(収入の改善)
  • 売上の計画を見直す
  • 掛取引を現金取引に変更する
  • 売掛金の回収を早める
  • 手形での売掛金回収を、現金回収に変更する
(支出の改善)
  • 経費の計画を見直す
  • 現金取引を掛取引に変更する
  • 買掛金の支払いを遅らせる
  • 現金での仕入・経費支払を、手形支払に変更する

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