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スタッフコラム

2017.09.01|相続

贈与税とはどんな税?

財産を贈与した場合には、贈与税がかかるとは言われていますが、実際にはどのような税金でしょうか?

1.贈与税とは?

贈与税は、個人から財産の贈与を受けたときにかかる税金です。

 

しかし、すべての財産について贈与税が課税されるのではなく、さまざまな観点から贈与税がかからない財産も規定されています。

 

そのため、会社などの法人から財産を贈与されても贈与税はかかりません(この場合には、贈与税でなく所得税がかかります)。 なお、贈与を受けても贈与税がかからない財産もあります。

 

そして、贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。

2.暦年贈与なら110万円まで非課税

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた金額に対して課税する方法です。

 

したがって、1年間に贈与された財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

 

なお、この基礎控除額は、贈与をした人ごとに110万円というわけではなく、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円となります。

 

さらに、原則として、贈与税は相続税とは切り離して計算しますが、相続開始前3年以内の贈与は、相続税の課税価格に加算されますのでご注意ください。

3.相続時精算課税とはどんな制度?

相続時精算課税とは、60歳以上の親又は祖父母から20歳以上の子又は孫への生前贈与について、贈与時の財産に対しては軽減された贈与税を支払い、相続時にはその贈与財産とその他の相続財産を合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を精算して課税する方法です。

 

この制度は、贈与を受けた20歳以上の子又は孫が、贈与をした60歳以上親又は祖父母ごとに適用の有無を選択する事が出来ます。相続時精算課税は父・母などそれぞれ最初に選択した場合、父・母などの相続が発生するまで継続して適用されます。つまり、翌年以後の贈与でも暦年課税による計算をすることが出来ませんので、110万円の基礎控除は使えないことになります。

 

相続時精算課税を選択(届出書の提出)すると、生前の贈与について通算2,500万円まで贈与税が非課税となります。2,500万円の非課税枠を超えた部分については、一律20%の贈与税を支払います。

 

この制度は、親世代の財産を早期に子世代に移転させることを意図して導入されました。この制度をうまく活用し、まとまった財産を生前に贈与することが可能となります。親世代にとっては、自分の生きているうちに、自分の判断で贈与する相手と財産を特定することが出来ます。

4.暦年課税と相続時精算課税は、どちらを選ぶ?

生前贈与を行う場合、将来相続が発生した時の相続財産の総額が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以内の金額が収まるケースであれば、贈与税や相続税を負担することなく財産を移転させることができるため、相続時精算課税を利用する価値はおおいにあります。

 

しかし、相続財産の総額が基礎控除額を超えて相続税がかかるケースでは、たとえこの相続時精算課税を利用した贈与時に贈与税の負担が生じなくても、相続時には相続税の負担が避けられないため必ずしも相続税の節税にはつながりません。この場合に相続税対策に重点を置くのであれば、多少の贈与税を払っても暦年課税がよいでしょう。

 

ただし、次に該当する場合は、相続時精算課税の利用が考えられます。

 

①将来値上がりが期待される財産の贈与に利用

相続時精算課税によって贈与した財産は、相続が発生すれば相続時の金額ではなく贈与時の金額で精算されます。つまり、贈与財産が将来の相続時に値上がりしていれば節税効果が生まれます。

 

②収益物件の贈与に利用

収益物件を生前贈与し、その物件から得られる毎年の収益をこの世代に早期に移転することは相続対策の観点から得策といえます。親の世代の財産の蓄積を回避することによる節税対策であると同時に、この世代の財産の蓄積を回避することによる節税対策であると同時に、子の世代の財産を形成することによって将来の納税資金対策にもつながります。

 

③特定の相続人に取得させたい財産の贈与に利用

同族会社の株式、自宅の敷地や生活の支えとなる収益物件などの遺産分割争いの対象にしたくない財産は、それぞれの財産を取得するべき人に生前贈与し、遺産分割の対象から除いてしまうことによって相続対策に活用できます。特に同族会社の株式については、後継者となるべき相続人に取得させることによって、会社経営の安定を図ることを優先すべきでしょう。

 

このように暦年課税と相続時精算課税は、それぞれの特徴がありますので、相続対策の目的や優先順位などをよく検討して適用を受けることをお勧めします。

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