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2023.05.08|会計 経営 節税

法人の決算期(決算月)は、自由に決めることができます!

令和5年5月8日(月)から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類感染症」に変更されました。
これに伴い、これまでの「法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組み」から、「個人の選択を尊重し、県民の皆様の自主的な取組みをベースとしたもの」に大きく変わります。
まだまだ、新型コロナウイルスには、注意しなければならないものの、私たちの生活は、元に戻りつつあります。
そんな今、コロナ禍に事業計画を立て、法人設立をと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1.まず、決算期とは?

会社を設立する際に、必ず決めなければいけないのが決算期です。
決算期、は法人の事業年度の最終月のことで、決算月とも呼びます。
すべての法人は、1年以内の任意の期間を区切って、収支・損益をまとめてその期間の経営状態を明らかにするために、決算書作成及び申告業務をすることが、義務付けられています。
これを「決算」といい、その決算をするための区切った期間を「事業年度」といいます。
事業年度は1年以内の任意の期間で自由に決めてよいことになっていますが、大半の法人では1年間としています。
例えば、事業年度が4月1日~翌年3月31日までなら、3月が決算期になります。

2.個人事業主と法人の決算期の違い

Ⅰ個人事業主の決算期は、12月31日と決められています。
個人は、事業をしている人、会社勤めをしている人、年金を受給している人、すべての方が、1月1日~12月31日(歴年課税)と、決まっています。
そして、翌年2月16日~3月15日(土日祝が重なる場合は、翌平日が期限)までの間に、所得税確定申告書の提出が義務付けられています。

Ⅱ法人の決算期は、自社の状況に応じて、自由に決めることができます。
日本の大企業の50%以上は、3月を決算期に設定していますが、法人の業務内容によっては、3月がベストな決算期とは限りません。

例)
①季節変動がある法人は、繁忙期前に決算期を設定する。
例えば、年間の売上高が一番高い月が3月の場合、2月に決算期を設定します。
3月の売上高が高いため、納税月(法人の申告・納税期限は、事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内)に、手元資金の余力がある。
また、年間の利益を使い、必要な節税対策を実施した上で、申告・納税を迎えられるため、社内に資金を残すことができる。

②業務効率を考慮して、決算月を決める。
デパート、スーパー、コンビニエンスストア等、決算時に棚卸が煩雑な法人は、2月決算を選ぶ傾向があります。
2月は、カレンダー日数が少ない、年末年始後で、消費が落ちやすい等がその理由と言われています。

※法人の決算期は、変更可能です。
事業年度は、登記の必要性がないため、決算変更は比較的容易にできます。
ただ、決算期変更によって変更前の事業年度は、12ヵ月が経過していなくても、決算、申告納税という手続きが必要となります。

3.法人の決算期は、何月が多い?

国税庁発表によると、法人数 約260万ある中で、決算期の多い月は、3月→9月→6月→12月の順となっています。
決算期を3月とする法人が全体の約20%あり、次に9月が約11%、6月と12月が約9%、と続いています。
資本金1億円以上の法人では、約58%の法人が3月を決算期としています。

何故、3月決算法人が多いかは、下記の理由が想定されます。
①国や地方公共団体の会計年度が3月である。
②日本の教育制度が4月~3月という期間である。
新卒採用の場合、入社時期を4月にせざるを得ないため、それに合わせている。
人事制度の設計も、4月~翌3月の期間が中心となっている。
③税法の改正に適応する
税法等の法律の改正は、4月1日から、適用されることが多い。
そのため、決算日が3月末以外であれば、会計年度の途中に仕訳の方法などを変更する必要となる可能性もある。

大手と取引されるている法人は、その取引先と同じ、決算期を選ぶ傾向にあるため、中小企業も3月決算法人が多い傾向にあります。

次に多い決算期の9月は、3月が監査法人や税理士にとって繁忙期であるため、その繁忙期を外していることも想定されます。
また、4月は人事異動など社内イベントもあるため、そうした社内外の業務のピークとかぶらないように、9月決算を導入している法人が多いです。

6月は、税理士が繁忙期ではないため、相談しやすいことが想定されます。

12月は、暦に合わせ、1月~12月を事業年度として選択する法人が多いと考えられます。
個人事業を法人格に変更した場合、個人事業としての事業年度である1月~12月を、そのまま法人の事業年度として採用するケースも多く見られます。
欧米は12月決算が多く、国際会計基準では親会社と子会社の決算期を統一するように求められていることもあり、近年、3月決算から12月決算に移行する大企業も増えています。

◆国税庁_決算期月別法人数
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/hojin1997/11.htm

4.まとめ

決算期を決めるのは、意外と重要です。
法人を設立される前に、税理士と相談されることを、お勧めします。

事業内容から考慮して、決算期に拘る必要がない場合は、決算を依頼する税理士の繁忙期を避けるというのも1つの方法です。
私たちは、年末調整、個人の確定申告などに関する業務が集中する11月(9月決算法人の申告)~5月(3月決算法人の申告)が、特に忙しいです。
この時期を避けて決算期を設定して頂けると、心に余裕を持って、業務のお手伝いができます。

もちろん、すべての業務に真摯に向き合っておりますので、ご安心くださいませ。

(文責:京都事務所 竹内)

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