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2021.07.17|会計

副業をしている人必見!確定申告における雑所得について解説

会社員の副業を解禁する企業が増加傾向にある今、確定申告について理解しておく必要があります。確定申告とは1年間の所得にかかる税金を計算し、税務署に納税額を報告すること。フリーランスや個人事業主のほか、副業の年間所得が20万円超の会社員も確定申告が求められます。しかし、確定申告の手続きは複雑である一方で、申告内容に誤りがあった場合、ペナルティの対象になることも。今回は、確定申告を行う際に知っておきたい「雑所得」についてご紹介します。

1.雑所得とは

雑所得とは、所得税法で分類されている所得のうち、いずれにも分類されない所得のこと。雑所得は「公的年金の雑所得」と「公的年金以外の雑所得」の2種類があり、前者は国民年金・厚生年金などの支給による所得、後者は副業で得た所得を指します。所得税法で定められている分類は以下の通りで、これらに該当しない所得はすべて雑所得として扱われるのです。

利子所得 預貯金、公社債の利子、合同運用信託、公社債投資信託などの収益の分配に関わる所得
配当所得 株式の配当金や公募株式投資信託の収益分配金などに関わる所得
事業所得 農業、漁業、製造業、小売業、卸業、サービス業などの事業の収益に関わる所得
不動産所得 個人が不動産を賃貸したり、土地に借地権を設定して賃貸した際などに発生する所得
給与所得 源泉徴収前の収入金額から給与所得控除額を差し引いた所得
退職所得 退職手当、一時恩給、生命保険や信託会社から受ける退職一時金などで得た所得
山林所得 山林譲渡や立木の伐採で得た所得
譲渡所得 土地や建物、株式などの資産を譲渡することによって発生した所得
一時所得 懸賞金や謝礼金、満期保険や配当金などの臨時収入によって得た所得

(※1)参考:国税庁『No.1500 雑所得』https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm

雑所得として認められる必要経費

雑所得は、収入金額から必要経費を差し引いた金額のことを指します。よって、税法上認められている必要経費を多く計上することで、課税所得を抑えることが可能です。必要経費とは、所得を得るために必要な経費のことで、必要経費として計上できる項目は以下の通りです。(※2)

  • 地代家賃
  • 給料賃金
  • 宣伝広告費
  • 接待交際費
  • 福利厚生費
  • 通信費
  • 外注工賃

必要経費として計上できる金額は、その年に債務が確定した金額で以下の3つの項目をすべて満たしている必要があります。(※2)

  • その年の12月31日までに債務が成立している
  • その年の12月31日までに債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している
  • その年の12月31日までに金額が合理的に算定できる

(※2)参考:国税庁『No.2210 やさしい必要経費の知識』https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

2.事業所得とは

会社員が副業をしている場合、副業の合計所得が年間20万円を超えれば確定申告が必要になります。副業が事業として認められれば「事業所得」として扱われますが、主な所得が給与所得である会社員の場合、「雑所得」として扱われることが一般的です。

 

確定申告における事業所得と雑所得の共通点は、必要経費を収入から差し引けること。事業所得は、給与所得との損益通算が可能であったり、青色申告特別控除を受けられたりするなど、節税対策においてより効果的であるといえます。

 

副業収入を事業所得として成立させるためには、副業の内容が事業として認められるかどうかがポイントに。税務署から問い合わせがあった際に収入や副業の内容、人的リソースなどを提示し、それらを説明できるように事前準備を行うと良いでしょう。

3.確定申告における雑所得の申告方法

会社員の場合、本業以外の給与所得の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。副業収入が20万円を超えた場合、確定申告が必要に。ここでは、確定申告に必要な書類と雑所得の申告方法についてご紹介します。

申告に必要な書類

所得税の確定申告書は「確定申告書A」と「確定申告書B」の2種類があります。前者は主に会社員が使用するもので、後者は所得の種類に関わらず、個人事業主やフリーランスが対象となっています。ご自身がどちらに該当するのか事前に確認しておきましょう。確定申告書を提出する際に必要になる書類は以下の通りです。(※3)

 

  • 本人確認書類
  • 銀行の口座情報のコピー
  • 確定申告書AもしくはB
  • 確定申告書に添付する各種控除関係の書類(控除を受ける場合)

(※3)参考:国税庁『申告書の記載例(給与やその他の収入がある場合)』https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2015/a/03/3_02.htm

 

雑所得の記入方法

確定申告書には、雑所得の記入欄が設けられており、「公的年金等」「業務」「その他」の項目に分かれています。「公的年金等」の項目に公的年金で得た収入額を、「業務」の項目に副業で得た収入額をそれぞれ記載しましょう。「その他」は私的年金、還付加算金や動産の貸付による収入額の記載欄になるため、該当しない場合は空欄で提出して問題ありません。

4.雑所得、事業所得のどちらを選ぶのか見極めてから確定申告を行おう!

今回は確定申告における雑所得についてご紹介しました。雑所得とは、所得区分で利子所得や配当所得などに分類されない所得を指します。副業が解禁された企業が増加傾向にある今、会社員であっても確定申告を行う必要があるという方もいらっしゃるでしょう。雑所得、事業所得のどちらを選択するかによって税額が大きく変わることもあります。それぞれの違いを理解することはもちろん、確定申告の手続きの流れを事前に確認し、手続きをスムーズに進めましょう。

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