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スタッフコラム

札幌事務所
2022.11.15|税の最新情報

ホステス報酬とインボイス制度について

クラブやバーの経営者からホステス等への支払いは、ホステス等の業務が実質、経営者からは独立した業務にあたれば報酬とし、経営者に従属した業務にあたれば給与とする傾向があります。
ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。
本稿ではインボイス制度とホステス報酬との注意点について記載します。

1.ホステスに支払う場合

ホステス等に支払う報酬・料金として、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならない場合とは、クラブやバーの経営者が、そこで働くホステスなどに報酬・料金を支払う場合をいいます。

源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれるものには、報奨金や衣装代、深夜帰宅するためのタクシー代などがあります。

また、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、報酬・料金の額から同一人に対し、1回に支払われる金額について、5千円(みなし経費)にその報酬・料金の「計算期間の日数」を乗じて計算した金額を差し引いた残額に10.21%(支払金額100万円超は20.42%)の税額を乗じて算出します。

上記の「計算期間の日数」とは「営業日数」又は「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数をいいます。

2.翌月10日までに源泉納付

ホステス等に支払った報酬・料金から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、支払った月の翌月10日までに納める必要があります。

支払者が源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合であっても、ホステス等に支払う報酬・料金については、納期の特例の対象とはならず、期限までに納付をしなかった場合には、延滞税等を負担する可能性がありますので、注意が必要です。

3.インボイスが導入されるとどうなる?

インボイスが導入されるとどうなるのでしょうか?

例えば、料金が13,000円たとすると、消費税が10%で1,300円。

客は合わせて14,300円を店に支払います。

店から報酬を受けているホステスは個人事業主と見なされています。

ホステスの報酬が1万円、衣装代が7,000円だったとします。

インボイスの登録をしていると仕入れの時の税額控除ができるため、

◆店が支払う消費税は1,300円から1,000円を引いた「300円」

◆ホステスが支払う消費税は1,000円から700円を引いた「300円」

しかしインボイスの登録をしていないと

◆店は「1,300円」

◆ホステスは「1,000円」

と、それぞれ消費税の支払い金額が増えます。

税額控除を受けるためには、インボイスに登録しておく必要があります。

4.インボイスの登録状況

国税庁による2023年10月に始まる消費税の「インボイス」(適格請求書)制度への事業者の登録状況(9月末時点)によると消費税の納税義務がある約300万事業者のうち、登録が済んでいるのは4割弱にとどまっている状況です。

5.まとめ

コロナによる休業などに加えて消費税のインボイス制度導入により華やかで一時期は人気職種でもあったホステス業の方々は働きづらい環境となって行くかも知れません。

弊所では幅広い業種のお客様に対応させて頂いておりますので、お困りの際にはぜひご相談ください。

 

(文責:札幌事務所 佐野)

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