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設備投資をする前に知っておきたい3つの優遇税制 ~中小企業者等・個人事業主向け~

2017.08.23 節税

 少子高齢化による人材不足や国際競争の激化などにより、中小企業者等にとって事業環境は大変厳しい状況下にあります。

 そんな厳しい中、事業の見直しと同時に新たな設備投資を検討されている方もいるのではないでしょうか。そんな中小企業者の方に活用できる3つの優遇税制をご紹介します。

中小企業者等とはどんな事業者?

 まず、中小企業者等とは具体的にどのような規模の事業者を指すのでしょう。

・中小企業者等 ・・・ 資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人、資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

・個人事業主 ・・・ 従業員数1,000人以下の個人事業者

 上記のように設定されています。
ただし、ご紹介する税制によっては、適用要件に資本金の金額要件が設定されているものもありますので、適用可能かどうかあらかじめ確認する必要があります。

設備投資に活用できる3つの優遇税制

 平成29年度税制改正により、新たに設けられた税制と期限が延長、対象設備の見直しがされた税制があります。大きく3つの優遇税制についてご紹介します。

中小企業経営強化税制

 平成29年度の改正前の「生産性向上設備投資促進税制」が、税制改正により対象資産の範囲や手続き等が変更となり新たに設けられた税制になります。

 税制の適用を受けるために、設備投資前に、中小企業等経営強化法に基づいた「経営力向上計画」を作成し、それを国(各主務大臣)へ申請・認定を受ける必要があります。また、認定を受けた後、その計画に基づいたの設備を新規取得(中古設備は除く)し、事業用として使用しなくてはなりません。

 今回紹介する優遇税制の中で最も手続きが煩雑です。

〔対象設備〕

 設備分類として、大きくA類型(生産性向上設備)とB類型(収益力強化設備)の2つがあり、対象となる設備要件が異なります。新規取得が要件になりますが、必ずしも最新モデルである必要はありません。

◆A類型(生産性向上設備)とは?

 生産性が、旧モデル比年平均1%以上向上する設備に該当し、工業会等からの証明書を取得する必要があります。

【設備の種類】 【1台あたりの金額】 【販売開始時期】
機械装置 160万円以上 10年以内
測定工具及び検査工具 30万円以上 5年以内
器具備品 ※1 30万円以上 6年以内
建物附属設備 ※2 60万円以上 14年以内
ソフトウェア ※3 70万円以上 5年以内
※1 電子計算機・医療機器については、一定のものは除く
※2 医療保険業を行う事業者が取得建設したものを除く
※3 情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの。複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものを除く。
◆B類型(収益力強化設備)とは?

 投資利益率が年平均5%以上の投資計画(経済産業大臣の認定を受けた計画)に係る設備であり、その計画について所轄経済産業局の確認を受ける必要があります。

 経営力計画の認定に加えて、所轄経済産業局への投資計画の提出と報告が必要になるためより手続きが煩雑になります。

【設備の種類】 【1台あたりの金額】
機械装置 160万円以上
工具 30万円以上
器具備品 ※1 30万円以上
建物附属設備 ※2 60万円以上
ソフトウェア ※3 70万円以上
※1 電子計算機・医療機器については、一定のものは除く
※2 医療保険業を行う事業者が取得建設したものを除く
※3 情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの。複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものを除く。

〔適用期間〕

 平成29年4月1日から平成31年3月31日までに設備を取得し、事業用として使用する必要があります。

〔税制措置〕

  • 特別償却(即時償却)
  • 10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)

どちらかを選択適用することができます。

経営力向上計画の申請については中小企業庁のHPをご参照ください。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2017/170315kyoka.htm

中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は特別控除)

 こちらは中小企業経営強化税制のような経営力向上計画の認定は不要です。

 中小企業者等が、生産性向上等を図るため一定の設備投資をした場合に活用できます。

 

〔利用可能な事業〕

 不動産業や物品賃貸業、性風俗関連業以外ほぼすべての事業において利用可能です。

 

〔対象資産〕

【設備の種類】 【1台あたりの金額】
機械装置 160万円以上
測定工具及び検査工具 120万円以上、1台30万円以上かつ複数合計120万円以上
ソフトウェア ※ 一のソフトウェアが70万円以上、複数合計70万円以上
貨物自動車(車両総重量3.5t以上) 30万円以上
内航船舶(取得価格の75%が対象) 60万円以上

 

 

※複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものを除く

 

〔適用期間〕

 平成31年3月31日までにまでに設備を取得し、事業用として使用する必要があります。

 

〔税制措置〕

  • 30%の特別償却
  • 7%の税額控除

どちらかを選択適用することができます。

 ただし、資本金3,000万円超1億円以下の法人は30%特別償却のみの適用となります。

商業・サービス業・農林水産業活用化税制

 こちらも経営力向上計画の認定は不要です。

 商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業者等が、経営改善設備を取得した場合に活用できます。

 平成31年10月の消費税率引き上げに向けて、経営改善の取組を行う事業者を後押しすることを目的としたもので、以前からあった税制ですが、平成29年度税制改正により期限延長されたものです。

 

〔利用可能な事業〕

 医療業・建設業・製造業等が対象外となります。

 

〔適用条件〕

 商工会議所等の経営革新等支援機関から、経営改善に関する指導及び助言を受ける必要があります。

 

〔対象資産〕

 認定革新等支援機関等による、経営改善に関する指導に伴って取得する下記の設備が対象です。

  • 建物附属設備(1台60万円以上)
  • 器具備品(1台30万円上)

 

〔適用期間〕

 平成31年3月31日までにまでに設備を取得し、事業用として使用する必要があります。

 

〔税制措置〕

  • 30%の特別償却
  • 7%の税額控除

どちらかを選択適用することができます。ただし、資本金3,000万円超1億円以下の法人は30%特別償却のみの適用となります。

まとめ

 ご紹介した優遇税制をうまく活用することで節税が可能となりますが、資産購入前に認定申請手続きや計画書の作成、指定機関の助言を受けるなど、さまざまな手続きにおいて注意が必要です。

 優遇税制活用でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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