私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。
「一本の矢よりも、七色のひかり」をキャッチコピーに新聞広告等を展開しましたところ、各方面から様々な反響がありました。その中でも、これからの士業のあり方を占う上で意味のある取り組みであるとのご評価を頂いたことは、仕掛人の一人としてたいへん心強く感じました。その一方で、各士業によるOSS(ワンストップサービス)は必要であるが、それぞれの士業を規制する業法が存在する中で、例えば守秘義務の問題はどうクリアするのかといったご質問もありました。実は、この点については私たちも解決を図らなければならないと感じていたところですので、正鵠を射たご指摘を真摯に受け止め、今後の対応を考えたいと思います。いずれにしても、各方面からの応援のエールに感謝申し上げる次第です。
グループの広報誌である「HAGマネジメントレポート」第2号をお届けいたします。
平成18年度の税制改正について、特に重要と思われるポイントを解説しました。また、適格退職年金制度の今後の対応や、5月施行の会社法のエッセンスなど、関与先の皆様方にとってタイムリーな情報を満載していますので、ご一読をお願いいたします。
平成18年度の法人税関係の改正で注目されている3つの項目について概要と留意点等をご紹介いたします。 これらの改正については、いずれも平成18年4月1日以降に開始する事業年度から適用されるため、3月末決算法人については既に適用年度に入っています。また、お問い合わせの多い改正でもあることから、内容等について是非ご確認いただきたい項目についてコメントしています。
【概 要】
現在、交際費については、資本金1億円以下の中小法人は支出額400万円までの90%が税務上損金算入として認められ、資本金1億円超の法人は支出額全額が損金不算入とされています。 今回の改正で、この「損金不算入となる交際費等の範囲」から「5,000円以下の飲食費」が除かれることになりました。
【要 件】
適用要件としては、「財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する」とあることから、飲食費等の支払の領収書・請求書等とは別に、(1)交際費のうち対外的な者を対象とする飲食等の接待に要する費用、かつ(2)一人当り5,000円以下のものであることを証明できる事項を記録・保存しておく必要があります。
具体的には、接待相手先名称、飲食の席に同席した者の人数を正しく記載しておくということになります。
【概 要】
いわゆる一人会社に対する節税規制といわれる改正が、この「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」です。これは、会社法施行による節税目的の法人設立を抑制するためにとられた措置で、オーナー役員報酬の給与所得控除額を法人税の課税対象とするものです。
【給与所得控除額が損金不算入となる条件】
(同族会社の業務主宰役員+業務主宰役員グループの所有株式数)/発行済株式総数 ≧ 90%
かつ
(同族会社の業務主宰役員+業務主宰役員関連者)/常務に従事する役員の総数 > 50% ※この判定は事業年度終了時点での現況によるとされていますので、期末までの対策が大切となります。
つまり、(1)若干の他人資本が必要であることと(2)過半数の役員が身内以外でないとダメということです。
【適用除外となる要件】
上記条件に該当した場合でも、以下のいずれかに該当すれば適用除外となります。
◇ 基準所得金額 ≦ 800万円
◇ 3,000 万円≧ 基準所得金額 >800 万円
かつ
損金計上同族会社主宰役員給与の合計額/基準所得金額 ≦ 50%
※基準所得とは、(法人所得金額+オーナー役員報酬)の直近3年間の平均額をいいます。
複雑な計算式の様ですが、要は社長が給料を取っていても会社でしっかり利益を計上していればOK!ということです。
【概 要】
これまで役員に対する賞与については、損金に算入することができませんでしたが、今回の改正によりその賞与部分の額を事前に届け出ることにより損金算入が可能となりました。
【要 件】
役員に対して賞与などの不定期の給与を支払う場合、その定期同額給与以外の額を事前に税務署へ届け出ることを条件として損金に算入することが認められます。 この届出の期限は、以下のいずれか早い日までとなっています。
(1) 役員としての職務執行が開始される前
(2) 会計期間の開始の日から3ヶ月以内
【留意点】
(1)事前届出を必要とする部分に注意
◇ 定期同額給与の支給が有る場合
それ以外の部分について事前届出が必要
◇ 定期同額給与の支給が無い場合
全ての支給額について事前届出が必要
(2) 実際の支給額と事前届出額が異なる場合に注意
◇ 事前届出額 <支給額の場合
基本的に届出額を含めた全額が損金不算入
◇ 事前届出額>支給額の場合
やむを得ない事情有り → 損金算入可能
やむを得ない事情無し → 損金不算入
(文責:林)
解雇問題や労働時間、時間外手当を初めとする賃金問題と労使間のトラブルが昨今増加していますが、退職金問題もその一つです。その中でも中小企業において多く導入されてきた適格退職年金は、導入企業にとりましては大きな悩みのタネとなっています。 そこで、今回は適格退職年金制度についてお話したいと思います。
適格退職年金制度(以下「適年」といいます)は、昭和37年に創設された企業年金制度で、適格要件と呼ばれる一定の要件を満たすと保険料が全額損金に算入される等、税法上の優遇措置を受けることができました。バブル期を中心に節税対策と退職金原資の確保という目的で、多くの中小企業がこの制度を導入しました。
しかし、バブル崩壊に伴う株式相場の暴落・運用環境の低迷等によって、各社とも積立不足の問題が深刻化してきました。本来の運用利率(5.5%に設定)と実際の利率に大きな乖離が生じた結果、多大な積立不足が生じているケースが多いのです。 この制度は労働者の受給権保護という観点から問題が大きいということで平成14年の企業年金法の改正により、新規契約を停止するとともに、平成24年3月末で廃止されることになりました。
適年の廃止に伴い、他の退職金制度への移行もしくは解約が各企業の課題となっています。 解約した場合は、積立金は会社へは戻らず、按分の上全額が従業員へ払い戻されます。また、従業員側からすれば解約返戻金は一時所得となり、所得税や社会保険料が増加する上、所得の上昇により被扶養者要件や家賃補助制度の要件を満たさなくなる可能性もあり、様々な負担を強いられることにもつながります
その点、法律で認められている制度への移行の場合、適年で積み立てた資金を課税されずにそのまま移行することができます。下記に述べますように退職金債務は引き続き残りますので、その原資として活用できるわけです。
ところで、適年の問題においては、陥りがちな誤解が二つ存在します。
(1)適年の解約と退職金制度の廃止
適年は、退職金制度自体とは全く別物です。 退職金制度において、適年は資金の積立手段の一つにすぎず、仮に解約したとしても退職金制度そのものは廃止にならず存続し、その退職金債務は引き続き残ります。
(2)不利益変更の問題
適年の解約と平行して退職金の支給水準を引き下げる場合は、不利益変更の問題が生じ、従業員の個別同意が必要です。また、制度変更までの支給されるべき退職金金額は、既得権として保証する必要があります。
適年の問題においては、まず現状の分析が第一歩です。社員の年齢構成や勤務状況等の会社の現状、退職金規程の内容、適年の積立状況等、各社における問題点の抽出を行います。その上で今後の退職金制度のあるべき方向性を検討し、新制度の設計や、さらには従業員の同意取付けまで、対処するべき課題は山積しています。また移行のタイミングも各社毎に異なりますので、充分注意が必要です。 とりわけ一番問題となるのは、「まだ6年先のことだから」と放置しておくことです。その間に既得権としての退職金額は確実に増加して、退職金倒産という可能性すら考えられるのです。
このように早急に対応しておくべき課題の一つである適年について、当社では適切なフォローを通じて問題解決のお手伝いをさせていただきますので、是非ご相談下さいますよう、ご案内申し上げます。
(文責:大藤)
昨年の6月に成立した会社法が、今年の5月1日から施行され、早くも1ケ月が経ちました。 みなさまの会社ではどのような対応をされていますでしょうか?
会社法の大きな改正点を眺めてみますと、有限会社と株式会社の一本化や最低資本金制度の廃止、会計参与制度の新設、合同会社の新設・・・と、近年行なわれた改正とは大きく異なる抜本的な改正となっています。では、なぜこのような、近年にない抜本的な改正が行なわれたのでしょうか。実は、最近の社会情勢に対応するべく、平成11年以降、相次いで改正が行われてきたのですが、その部分的なパッチワークともいえるような改正も限界に達し、改めて全体的に整合性のとれた法体系の整備を図る必要が生じました。また、旧法は文語体(片仮名表記)で一般の方には読みにくかったことから、口語体(ひらがな表記)にすべきとの要請があったことも改正の大きなポイントとされています。 ではここで、改正内容からいくつかの話題を拾ってみようと思います。
有限会社は、有限会社法をその法的根拠として存在していましたが、会社法の施行と同時に有限会社法は廃止されました。そこで、「いまある有限会社はどうなるのですか?」という疑問をもたれるかと思います。この質問に対しては、基本的には何も変わらないし、何もする必要はありませんとお答えすることができます。さらに、これから先も有限会社○○と名乗って頂いて一向にかまいません。また、いつまでに株式会社に変更しなければならないというような期限の制約があるわけでもありませんから、望めば未来永劫有限会社であり続けることも可能です。ただ、あえて申し上げれば、会社の本質、つまり会社法 上の取扱いは、有限会社という名前の付いた 「株式会社」とされているという点にご留意いただければ結構です。
以前は、株式会社であれば、たとえ名ばかりであっても、取締役を3名以上、監査役を1名以上選任する必要がありました。しかし、会社法では取締役1名だけで株式会社を設立することができるようになりました。従来のように名目だけの役員ならば最初から選任する必要はないのではないかとの考えによるものです。確かに、従来は親兄弟や親戚に頼んで名前を借りていたこともあったわけですから、この際、形式と実質のギャップを解消する方法としては歓迎すべきなのかもしれません。
従来、株式会社を設立するためには、原則として1,000万円の資本金を用意する必要がありました。しかし、これからは、1円あるいはゼロ円でかまわないということになりました。これは、新規に事業を始めるにあたって、当初からまとまった資金を準備することは容易ではないため、起業の際の足かせとなっているとの批判に応えるための改正といわれています。しかし、1円やゼロ円の資本金では設立諸費用すら賄えませんから、ちょっと非現実的な話といわざるを得ません。常識的には、最低でも100万円くらいは必要でしょう。
5月から施行されている会社法について、ほんの一部をご紹介しましたが、この他にも経営者の方であれば知っておくべきヒントがたくさんありますので、ひかり司法書士法人をはじめ、ひかりアドバイザーグループのスタッフに、何なりとお気軽にお尋ねください。 (文責:上田)