私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

今年も桜の季節がやってきました。ビジネスの世界では新年度が始まり、また教育現場では新学期が始まるわけですが、何かとあわただしい中で時間だけが過ぎていくというのが正直な感想です。
いま手許にある仕事をザッと眺めてみますと、@3月決算関与先への報告資料のチェック、A同志社大学大学院での講義スケジュールの調整と資料の準備、B 税法改正に伴う著書(くらしの税金百科)の改訂作業、とここまでは例年のことなのですが、C雑誌社から依頼された原稿の執筆、D今国会で審議中の新しい会社法の読み込み(条文数は 900 を超える大変なボリュームです)と解説書の原稿執筆、E京都府の包括外部監査人への就任…、と続くあたりが今年のあわただしさの原因になっているようです。
とくにEについては予想もしていなかったことであり、府との監査契約締結を経て、4月中には監査テーマを選定の上、早速に監査の作業に着手しなければなりません。思ったよりハードワークになりそうですが、関与先の皆様のご支援をいただきながら、その職務を全うしたいと考えております。なお、地方公共団体の包括外部監査につきましては、 3 ページのコラムに簡単な紹介記事を掲載しましたのでご一読いただければ幸いです。
さて、桜の季節といえば、新入社員が第一歩を歩み出す季節でもあるわけですが、彼らを迎える側でも準備を整えておかなければなりません。その際の一助となることを願って、弊事務所では来る 4 月 14 日(木)に京都ホテルオークラで「知っておきたいビジネスマナー」と題する研修会を開催いたします。忘れてはならないビジネスマナーの基本を再確認する又とない機会でもありますので、新人クンだけでなくベテランさんも含めて奮ってご参加下さい。
桜の便りとともに「経営と税金のヒント」春号をお届けします。(光田記)
最近の社会経済情勢や財政状況を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」を構築する 観点から、平成 16 年度の税制改正が行われました。今回は、平成 17 年 3 月の決算業務を行うにあたり、特に重要と思われる事項について、平成 16 年度の改正点及びそれ以前の改正 事項を踏まえてご説明したいと思います。
企業の不採算部門を整理したり、事業を再構築したりすることに積極的に取り組むことの環境を整備するために、欠損金の繰越期間が 5 年間から 7 年間に延長されました。この改正は、平成 13 年 4 月 1 日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額から適用されます。今回の平成 17 年 3 月決算についての申告書で控除することのできる欠損金額は、平成 12 年 3 月決算の事業年度で発生した欠損金額が最も古いものとなります。反対に、平成 17 年 3 月決算で生じた欠損金額は平成 24 年 3 月決算まで繰り越すことになります。
法人が事業の用に供するために固定資産を取得した場合には、減価償却資産として定められているものについては、その取得価額を減価償却の方法により各事業年度に対応する費用を計算することになります。取得価額が 30 万円未満の減価償却資産については、その金額等に応じて次表のような取り扱いとなります。
※ 1. 中小企業者等の少額減価償却資産の特例
法人が特定の設備等を取得又はリースして、事業の用に供した場合には、種々の政策的見地から、税務上の特例として、普通償却額に加えて特別償却額を損金の額に算入することが認められています。これらのうち、中小企業者等にとって適用する機会が比較的多いと思われる中小企業投資促進税制と IT 投資促進税制の適用要件(取得の場合、抜粋)は次表の通りです。
中小企業投資促進税制 |
IT投資促進税制 |
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| 対象法人 | 青色申告書を提出する中小企業者等 | 青色申告書を提出する法人 |
| 対象とならない 事業・用途等 |
物品賃貸業、映画業以外の娯楽業、料亭、バー等の事業の場合は、適用がありません | 貸付けの用に供されているものは対象となりません |
| 適用期間等 | 平成 10 年 6 月 1 日から平成 18 年 3 月 31 日までの間に対象資産を取得等して、指定された事業の用に供した場合 | 平成 15 年 1 月 1 日から平成 18 年 3 月 31 日までの間に対象資産を取得等して、事業の用に供した場合 |
| 対象となる 資産・取得価額他 |
【1】機械及び装置 1台又は 1 基 160 万円以上 【2】事務処理の能率化等に 資する次の器具及び備品 同一種類合計 120 万円以上 ●電子計算機 ●ファクシミリ など(※ 2 ) 【3】車両重量 3.5 トン以上 の貨物自動車 【4】内航運送業等の船舶 |
【1】次の資産の取得 価額の合計額 140 万円以上 ( 資本金 3 億円以下の場合 ) ●電子計算機 ●ファクシミリ など(※ 2 ) 【2】ソフトウェア 70 万円以上 ( 資本金 3 億円以下の場合 ) |
| 特別償却限度額 | 取得価額× 30% |
取得価額× 50% |
| その他 | (1) 他の特別償却との重複適用はできません (2) 特別償却不足額は、 1 年間の繰越しが認められます |
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※ 2. 対象となる資産は限定されています。詳細はお尋ねください。
特別償却等を行う場合には、その制度の種類ごとに適用要件が異なりますので、その適用を満たしているかどうかを十分に検討する必要があります。また、これらの特別償却に代えて、税額控除を選択することができます。 取得等をした器具備品等が中小企業投資促進税制と IT 投資促進税制のいずれにも適用される場合は、 IT 投資促進税制の方が特別償却率や税額控除の率が大きいので、一般的には有利となります。ただし、電子計算機等、共通しているものがありますが、機能等の要件が異なりますので、確認が必要です。
平成 15 年度税制改正において、資本金 5,000 万円以下の法人について、損金算入できる範囲が年 400 万円の 90% まで拡大され、資本金 5,000 万円超 1 億円以下の法人についても、新たに年 400 万円の 90% まで損金算入の範囲が拡大されました。
税法上の交際費等とは、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいます。会計上の勘定科目とは一致しませんので、会議費、厚生費、販売促進費等の科目にも、税法上の交際費が含まれていることもありますので、これらの科目から交際費に該当するものを抽出する必要があります。(文責:中村)
新しい年度を迎え、新入社員が新戦力となり活躍し始める季節となりました。社員が入社した時には、雇用保険や社会保険の加入をはじめとして様々な手続きを行わなくてはなりませんが、これらはそれぞれ提出先や必要書類、それに加えて確認事項などが決められており、誤った手続きをすればトラブルの原因にもなりかねません。そこで、新入社員のための一連の手続きについて以下のようにまとめましたので、この機会に今一度ご確認ください。
雇用保険 |
社会保険 |
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| 提出先 | 公共職業安定所 | 社会保険事務所 |
| 提出する届出書 | 資格取得届 | 資格取得届、被扶養者異動届 |
添付もしくは |
・雇用保険被保険者証 (過去に雇用保険に加入していた場合) |
・年金手帳 (本人と被扶養配偶者分) |
| 資格取得日/ 提出期限 |
入社日/入社日の翌月 10日 | 入社日/入社日より 5日以内 |
被保険者となる要件 |
週所定労働時間が 20時間以上であり、かつ1年以上引き続き雇用見込みである場合 |
1 日または1週の所定労働時間と 1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者のおおむね4分の3以上の場合 |
入社時および年 1 回の定期健康診断は事業主に義務づけられています。しかし、入社時については本人提出の健康診断書( 3 ヶ月以内のもの)の確認により省略することもできます。
従業員負担分 |
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| 一般の事業 | 8/1,000 |
| 農林水産業 | 9/1,000 |
| 建設業 | 9/1,000 |
従業員負担分 |
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| 政府管掌健保 | 6.25/1,000 |
平成 17 年 4 月 1 日より個人情報保護法が施行されます。この法律の制定に至った背景として、情報化の発展で「個人情報の利用」が増加したことに伴い、「個人情報」の不正利用、漏洩事件が頻繁に発生していることが指摘されています。私たちの身近なところでも、ヤフー BB のユーザー情報漏洩事件や通販ジャパネットたかたの顧客情報流出事件などは記憶に新しいところです。
この種の事件は、社会的な不安を発生させるだけでなく、将来想定される高度情報通信社会の発展の妨げにもなります。そこで今回、官公庁を対象としていた「個人情報保護法」の適用範囲を民間事業者にまで広げ、安心した高度情報通信社会の実現を目指すことに至ったわけです。
5,000 件以上の個人情報を扱う事業者が対象ですが、次のような情報も個人情報に含まれますので注意が必要となります。
・自社の社員情報(扶養家族なども含む)
・人事査定の個人評価
・個人が特定できる E-MAIL アドレス
・個人が特定できる IP アドレス 要は、「個人が特定できるもの」が個人情報に該当するか否かのキーワードになります。
施行前 |
施行後 |
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| 企業が集めた顧客情報 | 「企業の財産」「営業秘密」として保護されていた | 「個人情報」とい認識がプラスされる。企業の財産として自由に取り扱うことができない |
| 個人情報の開示 | 個人情報の開示請求権は一般的に認められない | 開示の義務がある。(※1) |
| 公開情報の利用 | 本人に対して何もしなくてよい | 利用目的を本人に通知し、または公開しなければならない |
| 情報漏洩 | 民事の損害賠償請求 | 民事での損害賠償請求プラス行政処分 |
上の表のように法律上「個人情報」の持つ意味が変化します。また、施行後の特徴として行政処分を科せられる可能性があることが挙げられます。仮に行政処分が行われれば、企業対するイメージはダウンし、さらに企業活動にまで影響を及ぼすことが想定されます。また、適用事業者以外であったとしても、コンプライアンス(法令遵守)が叫ばれている昨今ですので、行政処分がないだけであり、社会からの心証が悪くなることは間違いありません。
個人情報保護法は、事業者が守らなければならない最低基準を定めているにすぎません。法律さえ守っていれば損害賠償などが請求されないという免責的な性質の法律ではないので、事業者は単に法律の要件を満たすだけでは十分とはいえません。特に、個人情報の多くが電子データによって取扱われるようになった結果、情報漏洩に関するリスクが大きくなっています。企業は自社ブランドを守り、顧客満足度を向上させるために、より積極的に情報セキュリティ対策に取り組む必要があります。
個人情報は外部と内部の両方から流出・漏洩する可能性があります。その両方に対応していかなければなりません。セキュリティ対策を施すためには、「機密性」、「完全性」、「可用性」の3要素を考慮する必要があります。特に個人情報保護の観点からいえば、「機密性」を重視することがもっとも大切といえます。
「プライバシーマーク」の取得
多数の個人情報を扱う企業の中には「プライバシーマーク」の取得に取り組んでいるところがあります。 このプライバシーマークは JISQ15001 (個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項)の基準を満たしていることを外部監査を通じて、社会的に認めるものであり、これを取得することにより社会からは相当な信頼を得られるわけです。平たく言えば、高度なセキュリティを維持するだけの仕組み(ノウハウ)を持っている事業者の証になるわけです。
事業を行うリスクの中で、この「個人情報」は新たなリスクとして加わったように見えますが、潜在的にはリスクとして存在していたものです。ここ最近個人の意識が高まるにつれ、クローズアップされてきたに過ぎず、改めてモラルの大切さを考えさせられる機会になるのではないでしょうか。リスクをヘッジする意味でもプライバシーマークに取り組んでみてはいかがでしょうか。詳しくは各担当者にご相談下さい。 (文責:上杉)