私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

今年は酉年。酉年の「トリ」に因んで「トル」という言葉について考えてみたいと思います。
まず一つめの「トル」ですが、これは漢字で書くと「獲る」。文字通り新たなお客様や商品を獲得して次なる商いの展開を考えるということに繋がります。
二つめの「トル」は「摂る」です。これも漢字の意味するとおり、私たち個人が十分な栄養を摂って健康な体を維持するのと同様に、商いにおいても必要な知恵とノウハウを摂らなければ成長はあり得ないことを意味します。
三つめの「トル」は「採る」です。これまた文字通り、優秀な人材を採用することですが、商いの発展には優秀な人材が欠かせないものです。少子化が話題になる昨今、人材の供給が先細るようでは商いの発展にも翳りがでないとはいえません。
このように「トル」という言葉から商いのヒントを探ってみましたが、とにかく「災い」のない平穏な一年になることを祈って止みません。
例年、年の瀬も押し迫ったころメディアを賑わすのが次年度の税制改正のニュースですが、去年の 12 月 15 日に与党税制調査会が本年度の税制改正大綱をとりまとめ公表しました。その中では、「定率減税の縮減」に代表されるように「増税」の方向が打ち出され、マスコミでも大きく取り上げられているところです。 この与党案を受けて、 12 月 19 日に財務省から「平成 17 年度税制改正の大綱」が発表されましたので、今回はその内容について簡単に紹介したいと思います。
なお、 赤字は増税項目を、 緑字は減税に繋がる項目を表しています。
定率減税は平成11年度に景気への配慮から恒久的減税として実施されたものであり、この年の税制改正大綱を読み直すと「将来を展望した個人所得課税及び法人課税のあり方の見直しを行うまでの措置として所得税及び法人税の減税を実施する」といわれているように、将来の抜本的改革への架け橋的措置であったことがわかります。今回はこの導入当時の状況に比べて、不良債権処理が一段落し、また経済状況の改善が見られたことから、与党税制改正大綱に沿って、縮小・廃止に向けての改正が織り込まれました。
具体的には、定率減税の額は次のように引き下げられることとなります。
(所得税)
現行 所得税の20%相当額(25万円上限)
改正案 所得税の10%相当額(12.5万円が上限)
実施日:2006(平成18)年1月〜
なお、住民税についても次のように改正されます。
現行 個人住民税所得割額の15%相当額 (4万円上限)
改正案 個人住民税所得割額の7.5%相当額 (2万円上限)
実施日:2006(平成18)年6月徴収分〜
個人投資家が自宅で保管している「タンス株」の特定口座への預入期間が延長されます。
取りあえず今年年末で一旦打ち切られますが、平成17年度改正では、新たに、株券のペーパーレス化への対応をも念頭に、一定の要件下で、自己が保管している上場株式等を「実際の取得日及び取得価額」で特定口座へ受入れることが出来ることとされ、取得価額の操作防止措置を織り込んで、来年度以降復活されることとされました。
実施期間:2005年4月〜2009年5月末
その他、金融先物取引に係る譲渡所得課税について、現行の上場株式等、有価証券先物等の先物取引と同様、申告分離課税方式が導入されることとなりました。
実施日:2005年7月1日以降に係る取引〜
この他、平成17年度の改正項目として俎上に上がりながら見送られたものに「金融一体課税の強化」「酒税の増税」「相続課税範囲の拡大」「ゴルフ会員権の譲渡損の通算禁止」などがありますが、これらの項目については今後の動向に注目していきたいところです。
また、参考までに今年から実施される昨年度の改正項目についておさらいしておきますと次の通りです。
商法は、平成13年以降、わずか数年の間に9回も改正されました。そして、これら相次ぐ改正の集大成として、会社法現代化の作業が進められています。昨年12月には、会社法(現代化関係)部会が「会社法制の現代化に関する要綱案」を完成しました。これが総会の決議を経て確定することになると思われますが、そのポイントを一言でまとめると、@商法から会社法部分を取り上げてまとめる、 A有限会社法を会社法部分に取り込んでしまう、B株式の譲渡について制限されている会社に旧有限会社法理を適用する、ということになります。つまり、この三点が新しい会社法の基本的な思想になると考えます。そこで、「会社法制の現代化に関する要綱案」の中から特に中小企業に関係の深い項目を拾ってみますと次のような点に注意する必要があるようです。
これらの制度改正の結果について簡単にイメージしてみますと次のようなシナリオが描けるように思われます。
□今までの中小零細の株式会社というのは、さらに零細の旧有限会社の雰囲気に近づくことになりそうです。
□従来は、株式会社という看板がかかっている限り、3人以上の取締役と1人以上の監査役がいて、資本金は少なくとも1,000万円以上あり、2年に一度の役員変更登記をする会社という最低限の条件がありましたが、今後はこうした思い込みが通用しなくなります。
□従来なら、あえて有限会社ではなく、株式会社を選択している以上、それなりの覚悟のある会社で、これから成長しようとしている会社という見方ができましたが、これからは一概にそうとはいえなくなりそうです。
つまり、株式会社というだけでは信用されないし、また信用もできない経済社会になってしまうのではないかと若干の危惧を覚えますが、さて、みなさんはどう思われますか?