私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

目次

  1. はじめに
  2. 2004年度税制改正 土地建物等の譲渡損失の損益通算廃止
  3. 消費税 総額表示最終チェック
  4. 社員の採用に伴う手続き 雇用保険・社会保険の加入について

はじめに

今年も桜の開花の便りが聞かれる季節となりました。 私たちも確定申告のシーズンを無事に乗り切ったのですが、一息つく間もなく新たな年度の幕開けとなり、あれこれと事務処理に追われる毎日を過ごしております。さて、新年度から消費税の総額表示がスタートします。巷間、誤解もあるようですので「消費税総額表示最終チェック」を掲載しました。確認のための情報として活用いただければ幸いです。

そして、去る三月二十六日には平成一六年度の予算が成立すると同時に税制改正法案も国会を通過しました。住宅ローン控除の適用期限が一年延長されることや、マイホームを売却して損失が出た場合の繰越控除の制度が拡充されるなど土地建物の譲渡をめぐる改正内容が盛りだくさんの改正となっています。とりわけ長期譲渡所得の税率が従前の二十六パーセントから二十パーセントに引き下げられたこと(短期譲渡については三十九パーセントに引き下げ)は歓迎すべき内容といえましょう。

こうした税制改正が不動産市況に与える影響は未知数ですが、回復傾向を示しつつある株価の動向とあわせて、景気の先行きに少し明るさが見えてきたという意見が多くなってきたようです。先般、公示地価が公表されましたが、都市部での下落幅が縮小しているようですし、弊社京都事務所周辺の中京区では路線価の一.五倍程度で取引される物件も登場しています。桜の便りとともに景気回復の軽やかな足取りが聞こえる日はそう遠くない予感を感じる今日この頃ですが、本日、HAGレポート春号をお届けします。

2004年度税制改正 土地建物等の譲渡損失の損益通算廃止

平成16年度税制改正については前号でも触れさせていただきましたが、今回はこの改正で大きな波紋を呼んでいる土地譲渡所得の損益通算の禁止規定の創設についてお話したいと思います。

これは土地建物等の長期譲渡益の税率が 26%から20%に(短期譲渡益は39%に)引き下げられることとの引き換えに従来認められていた不動産の売却損を他の所得と損益通算することができなくなるというものです。つまり、分離課税の土地建物等の譲渡損失については、他の土地建物等の譲渡による所得(分離課税の譲渡所得、土地等に係る事業所得及び雑所得)と通算することは可能ですが、控除しきれなかった損失を土地建物等の譲渡による所得以外の所得、例えば事業所得や給与所得あるいは総合所得の対象となるゴルフ会員権などの譲渡益、さらには分離課税の株式等に係る譲渡所得など)と通算することが認められなくなったということです。譲渡所得の税率を引き下げたことによる税収減を財源確保という観点から埋め合わせるべしの改正なのでしょうが、バブル崩壊以降現在のように土地の売却による譲渡益が発生する可能性が薄ければ税率の引下げは効果が見込めず、逆に、ほとんどの土地が含み損を抱えた状態にあり、譲渡損が生じることのほうが多いのが実態です。これまで可能であった損益通算ができなくなれるということは結局のところ増税ということになります。

特に問題なのは、今年1月に遡って適用されることです。今回の改正案は、昨年12月17日の税制改正大綱公表間際になって急浮上したものであるにもかかわらず、1月から適用とあって対応する期間は2週間足らずでした。一般に納税者に不利益となる改正は遡及適用しないことが通例となっており、私たち実務家の間でも未だ問題視する声は後を絶ちません。財務省は「損益通算を経過的に存続するということになれば、それまでの間にあえて損を出すための安値売りを誘発する可能性があり、土地市場をかく乱する恐れがある」という言い分ですが、本音は歳入増にあると思われます。また、この改正が従来から他の所得との通算を認めない株式等の譲渡と同じ位置づけをしたのだとすれば、今後の波及が気になるところです。一方、去る2月 29日に財務省は、個人が保有するゴルフ場やリゾートマンションの会員権を「投資対象のぜいたく品」とみなし、売却時に生じた譲渡損を他の所得と損益通算できないよう所得税法などを改正する方針を固めたというニュースが一部新聞紙上に掲載されました。この記事によりますと、2005年度から実施する方向で検討に入るとあります。

現在、所得税の世界では、個人が保有する競走馬や書画、古美術品、貴金属などの「通常の生活に不要な資産」はぜいたく品とみなされ、売却時の損失をほかの所得と通算できないこととなっています。ところが、ゴルフ会員権はこのぜいたく品の中には入っておらず、ゴルフ会員権を売って売却損が出た場合、給与等の他の所得と損益通算することが可能となっています。

ところが、前述の土地建物等の譲渡損失の損益通算廃止と同様、所得課税の強化を検討している財務省は、「会員権の実態は古美術品などと同じぜいたく品とみなせる」として、損益通算を認めない方向で検討することとしたようです。土地同様、バブル崩壊以降値下がりしたゴルフ会員権は少なくありません。もしこれが実現すれば、個人が値下がりしたゴルフ会員権を売却して「損切り」して所得税額を減らすというスキームを利用することができなくなります。

突然の改正案に慌てることのないよう、ゴルフ会員権等の譲渡課税を巡る今後の動向には注目しておきたいところです。

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消費税 総額表示最終チェック

この 4 月 1 日から、消費税の総額表示制度がスタートしました。各事業者の方々は、消費者が一目で「支払総額」が分かるようにする為、値札の付け替えやレジシステムの変更など、制度導入に向けてのご準備を進められたかと思います。そこで、総額表示のポイントを再確認してみましょう。

【卸売業者です。取引価格はすべて「総額表示」(税込)に変更しないといけませんか? 】
「総額表示」が義務付けされるのは、 不特定多数の消費者に対して 商品・サービスの提供を行う課税事業者です。 一般的な事業者間取引における価格表示は、総額表示義務の対象にはなりません。
【対 象】
@ 不特定多数の 消費者に対して
A あらかじめ 取引価格 を表示するもの
例:値札、店内表示、商品カタログ等への価格表示、ホームページ等を利用した広告など
【対象外】
@ 特定の 消費者に対して       
A取引価格を表示するものや
B取引後に価格を明
例:見積書、請求書、領収証、各種契約書、価格表示を行っていないものなど

飲食店を営んでいます。メニューに価格を表示していません。メニューの変更は必要ですか?】  
変更する必要はありません。総額表示の義務付けは、価格表示を行う場合を対象とするものであり、価格表示を行っていない場合について表示を強制するものではありません。上記設例の「対象外」に該当します。 また、口頭による価格の提示も対象となりません。

税込価格がわかれば、どんな表示方法でもよいのですか?】  
表示方法については、特に限定されておらず、本体価格と消費税額等を含めた総額が一目で把握できるものであれば全て認められます。ただし、表示方法を「 9,800 円 (税込 10,290 円)」とした場合など、税抜価格の文字を大きくしたり、色合いで強調するなど、消費者に誤認を与えるような表示方法は認められません。

レジシステムの変更は必要ですか?できれば今のまま使用したいのですが】  
「総額表示義務」は、 レジシステムの変更を義務付けるものではありません。 しかし、「総額表示」の下で、これまでのように「税抜価格」を基に計算するレジシステムを用いた場合には、下の例のような問題が生じ、消費者との間でトラブルが発生する場合があります。        
税込157円(税抜150円) を2個購入。  
314 円 だと思っていたら、 レジで 315 円 と言われた。 ( 150 円× 2 個× 1.05 )        
  したがって、トラブルを避ける意味でも「税込価格」を基に計算するレジシステムに変更するなどの対応が必要になると思います。

罰則規定はあるのでしょうか?】  
特に罰則は設けられていません。個々の事業者の価格表示の状況を踏まえ、広報、相談、指導などの対応が図られることになっています。

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社員の採用に伴う手続き 雇用保険・社会保険の加入について

新しい年度を迎え、新入社員が新戦力となり活躍し始める季節となりました。新入社員が入社した際には、複数の行政機関に対して各種届出書を提出する必要があります。  
公共職業安定所へは雇用保険の被保険者の資格取得手続きを、社会保険事務所へは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者の資格取得手続きをそれぞれ行います。 これら2つの手続きは、制度の内容は異なるものですが、いずれも労働者の生活の安定を図るために必要なものです。必要な手続きおよび注意事項は以下とおりです。

  雇 用 保 険 社 会 保 険
提出先 所轄の公共職業安定所 所轄の社会保険事務所
提出する届出書 被保険者資格取得届 被保険者資格取得届
添付、提示書類 ・雇用保険被保険者証
(過去に雇用保険に加入していた場合)
・出勤簿、賃金台帳、労働者名簿、雇用契約書
・被扶養者異動届
(扶養家族がある場合)
・年金手帳、年金証書
資格取得日 入 社 日 入 社 日
提出期限 入社日の翌月10日まで 入社日より5日以内
被保険者となる
パート労働者
週所定労働時間が20時間以上であり、かつ1年以上引き続き雇用見込みである場合 1日または1週の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者のおおむね4分の3以上の場合
その他確認事項 ・週所定労働時間
(週所定労働時間が20〜30時間の場合は、短時間被保険者となる。)
・職安紹介による採用かどうか(事業主に対する給付金制度の対象となる場合がある。)
・報酬の月額
(金銭によるもの、現物によるもの、および残業手当の見込額の算出も必要となる。)

介護保険料率が変わりました!改正です!  
政府管掌の健康保険の介護保険料率は、平成16年3月分(4月納付期限)より1.11%となっています。これにより、40歳から64歳までの介護保険の第2号被保険者に該当する方の保険料率は、医療に係る保険料率(8.2%)と合わせて9.31%となっていますので、どうぞ注意下さい。

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