私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年、それまで「光田公認会計士事務所」にて対応しておりました税理士業務を法人化し、新たに「ひかり税理士法人」を立ち上げさせていただきましたが、お陰様で発足後早や一年が経過しました。まさに「光陰、矢の如し」であります。
発足にあたって、法人化の目的として掲げました「提供するサービスの更なる深化」が奏功したかどうかにつきまして、関与先様をはじめ関係する皆様方からの評価はまずまずではないかと自負していますが、二年目を迎える今年こそが真価を問われる一年になるのではないかと社員職員一同、改めて気を引き締めているところです。どうか忌憚のないご意見をお寄せいただき更なる改善に努める機会を与えていただければ幸いです。
ところで、今年は制度改革や法律の改正などのメニューが目白押しとなっています。一月には年金制度改革が最終決定されそうですし、四月には消費税の総額表示が始まり、そして、六月には会社法制の抜本的改革が実現しそうです。また、七月には参院選、そして八月にはアテネ五輪と続き、いよいよ九月には野口英世と樋口一葉の新紙幣が登場。その後、米国大統領選もあり、話題には事欠かない一年が予想されます。
私たち「ひかり税理士法人」では、こうした世の中の動きを的確に捉え、皆様の良きアドバイザーとして一層の努力を重ねる所存ですので、どうか倍旧のご支援をお願い申し上げます。
去る12月17日、自民・公明両党により「平成16年度税制改正大綱」が公表され、これを受けて財務省は「平成16年度税制改正の大綱」をまとめました。その内容は厳しい財政状態を背景に、65歳以上の高齢者に対する所得課税の見直しなど個人負担の強化を打ち出す増税型のものとなっています。近年の推移を見ると平成15年度は1兆8千億円の減税でしたが、平成16年度改正では、国税・地方税あわせて120億円の増税(初年度)に転じ、消費税率を引き上げた平成9年度以来の増税型となっています。
景気対策として平成11年から導入された所得税と住民税の定率減税については、今回の改正大綱では見送られたものの、公明党の廃止要求を採り入れ、平成 17年〜18年度での「縮減・廃止」の検討が明記されました。なお、この廃止による影響は年間3兆3千億円の増税となり、特に年収の高い層においては、最大で年間29万円(国税25万円+地方税4万円)の負担増となります。
さらに、年金などの社会保障財源として「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」との表現で平成19年度以後の消費税率引き上げが明記されました。
このほか、平成16年から配偶者特別控除が原則廃止されることが昨年の改正ですでに決まっていますが、これが景気に悪影響を与える可能性も懸念されます。 なお、財務省の「平成16年度税制改正の大綱」の主な内容は以下のとおりです。
住宅ローン減税について、現下の景気情勢を踏まえ、最大で年50万円ずつ10年間にわたって所得税から税額控除する制度が1年間延長され、平成17年以後は段階的に規模を縮小することとされます。
| 居住年 | 期間 | 借入年末残高 | 適用年 | 控除率 |
| H16 | 10 年 | 5,000 万円以下 | 1 から 10 年目> | 1 % |
| H17 | 同上 | 4,000 万円以下 | 1 から 8 年目 | 1 % |
| 9 から 10 年目 | 0.5 % | |||
| H18 | 同上 | 3,000 万円以下 | 1 から 7 年目 | 1 % |
| 8 から 10 年目 | 0.5 % | |||
| H19 | 同上 | 2,500 万円以下 | 1 から 6 年目 | 1 % |
| 7 から 10 年目 | 0.5 % | |||
| H20 | 同上 | 2,000 万円以下 | 1 から 6 年目 | 1 % |
| 7 から 10 年目 | 0.5 % |
買換えに限らず、平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間に、住宅を売却して譲渡損失が生じた場合、譲渡価額とローン残高との差額について、損失の繰越控除を3年間認めることとされます。
平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用される税率が次のように引き下げられます。
【保有期間5年超】現行 |
改正案 |
譲渡益の 26 % ( 所得税 20 %、住民税 6 % ) |
譲渡益の 20 % ( 所得税 15 %、住民税 5 % ) |
現行 |
改正案 |
譲渡益の52% (所得税40%、住民税12%) |
譲渡益の39% (所得税30%、住民税9%) |
平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌期以後の繰越を認めないこととされます。
65歳以上の高齢者が受け取る公的年金の金額に応じて、最低でも140万円までの所得控除が出来る制度を縮小し、最低控除額を120万円に引き下げる。
65歳以上で年間所得1千万円以下の高齢者を対象とする所得控除(所得税50万円、住民税48万円)を廃止する。
次のとおり引き上げる。
@企業型| 拠出形態 | 現行 | 改正案 |
| 他の企業年金がない場合 | 月額 3.6 万円 | 月額 4.6 万円 |
| 他の企業年金がある場合 | 月額 1.8 万円 | 月額 2.3 万円 |
| 拠出形態 | 現行 | 改正案 |
| 企業年金がない場合 | 月額 1.5 万円 | 月額 1.8 万円 |
| 自営業者等の場合 | 月額 6.8 万円 | 変わらず |
平成16年1月1日以後に行う上場株式等以外の株式等の譲渡について以下の税率を適用する。
| 税目 | 現行 | 改正案 |
| 所得税 | 税率 20 % | 税率 15 % |
| 住民税 | 税率 6 % | 税率 5 % |
特定の同族会社株式等を相続した場合に、相続税の課税価格を10%軽減する特例の対象となる価額の上限を10億円(現行3億円)に引き上げる。平成16年1月1日以後に発生する相続、遺贈又は贈与について適用する。
相続又は遺贈により財産の取得をした個人で相続税があるものが、申告期限後3年以内に相続財産である非上場株式をその発行会社に譲渡した場合にはみなし配当課税を行わない。
平成17年分以後の所得税及び平成18年分以後の個人住民税について青色申告特別控除額を65万円(現行55万円)に引き上げる。なお、簡易な簿記の方法により記録しているものに係る経過措置(45万円)は廃止する。
| 帳簿形式 | 現行 | 改正案 |
| 正規の簿記の原則による方法 | 55 万円 | 65 万円 |
| 簡易な簿記の方法 | 45 万円 | 廃止 |
| 上記以外 | 10 万円 | 変わらず |
器具備品の取得価額要件を100万円以上から120万円以上に、リース費用総額要件を140万円以上から160万円以上に引き上げたうえ、適用期間を平成18年3月31日までの2年間延長する。
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による欠損金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間を7年に延長する。
帳簿書類の保存期間について、現行5年間の保存期間とされている帳簿書類の保存期間を7年間に延長する。上記の改正は、平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額について適用する。
以上税制改正大綱の一部を要約してご紹介しましたが、内容の詳細については弊事務所の各担当者までお問い合わせ下さい。なお、財務省の「平成16年度税制改正の大綱」は下記アドレスでご覧いただけます。http://www.mof.go.jp/genan16/zei003.pdf
去る11月14日(金)ホテルセントノーム京都にて秋のレベルアップセミナーを開催いたしました。 今回は講師に立命館大学法学部教授の山下眞弘先生をお招きし、「知っておきたい改正商法のカンどころ」と題して、目まぐるしい商法改正の流れの中から、私たち中堅・中小企業にとって、理解しておくべき平成13・14年改正項目を中心に、今度の動向も含めてお話をしていただきました。
ところで、どうして毎年のように商法が改正され施行されているのでしょうか。その遠因は対米関係に見ることができるようです。バブル期以前、対米貿易黒字解消策として、プラザ合意により円高政策がとられましたが、日本経済はその円高環境を克服するに至ります。そのため中曽根内閣は内需拡大による公共事業、低金利政策をとり、その結果、金余りによる土地や株に対する投機資金が流れ、日経平均38,000円まで高騰したバブル時代へと突入します。
そして、バブルが崩壊した90年代以後、米国の株主権利拡大要求の圧力やわが国の企業国際競争力の確保などの理由により、『規制緩和・簡素化』を目的とする商法改正が施行されてきたわけです。なお、最近の主な改正点は以下の通りです。
平成5年 代表者訴訟の活性化 平成6年 自己株式緩和
平成9年 ストックオプション・合併手続きの簡素化(独占禁止法改正に伴う)
平成11年 株式交換・株式移転 平成12年 会社分割
こうしたの流れを受けて、平成13年・14年の中小会社に関する法改正のポイントとしては、
(1)株式制度の合理化(金庫株解禁・額面株式廃止と単元株制度導入など)
(2)企業運営機構の合理化(取締役等の会社に対する責任軽減・監査役の権限強化など)
(3)計算関係等の合理化(現物出資、財産引受および事後設立の目的たる財産の価格の証明など) という3つの観点から理解する必要があります。
また、中小企業会計法の課題と今後の商法改正についてのお話も、興味深い内容でした。これらの内容について、詳しくお知りになりたい方は弊社所長光田周史も執筆しております三木義一・山下眞弘編著『税法と会社法の連携』(税務経理協会,2003年)を参考にして頂ければ幸いです。
事前知識に乏しい私どもにも、わかりやすくご説明頂き大変勉強になりました。商法改正といわれても、「ピンとこない」、「どうせ関係がない」といった感想をお持ちの方もいらっしゃるかとは思いますが、コンプライアンス(遵法)という言葉が経営のキーワードになっている昨今、法とは経営環境における制御できないものであり、改正により経営が大きく左右されるリスクがあるとの認識を新たにしていただければと思います。弊社も、皆様の経営におけるリスクを少しでも回避できるように、積極的な情報提供と、バックアップに努めていきたいと考えておりますので、何なりとお申し付け下さい。