私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

目次

  1. はじめに
  2. 覚えておきたい消費税の改正の要点
  3. 相続時精算課税制度のあらまし
  4. 4月より 健保・厚年 総報酬制スター

はじめに

毎年のこととはいえ、桜の便りが届くとともに新たな年度が始まりました。税制に関しましても、去る三月二十八日に平成十五年度税制改正法案が参議院で可決され、企業の研究開発・設備投資など減税が行われる一方、五月から発泡酒やワインなど一部酒類が増税となり、また七月からはたばこ税が引き上げられるため、1本あたり一円の値上げになります。

ところで、この十五年度税制改正の目玉は何といっても「相続時精算課税制度」という新たな生前贈与の仕組みが導入されたことです。これは、贈与を受けた者の選択で、二千五百万円までの生前贈与に対しては贈与税を非課税とし、相続時に相続財産と贈与財産を合算して相続税を計算するという制度です。つまり、相続税が軽減されるというわけではありませんが、生前に贈与税の負担なしにまとまった財産を移転できるというメリットがあります。利用できるのは、贈与者が六十五歳以上の親で、受贈者が二十歳以上の子、という組み合わせになりますが、住宅取得のための資金贈与であれば親の年齢制限がなく、また非課税枠も一千万円上乗せされて三千五百万円になるなど優遇されている点にも注目です。詳細については別稿にまとめておりますのでご一読下さい。

さて、私たち「ひかり税理士法人」も、その産声を上げて以来、はや三ヶ月が経過いたしました。この間、法人移行の諸手続等ではみなさまには何かとお手数をお掛したことと存じますが、おかげさまで上々の立ち上がりとなりましたことに安堵するとともにご協力に深謝いたします。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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覚えておきたい消費税の改正の要点!

前回概要についてご紹介しました平成15年度の税制改正から、 今回は皆様に身近な税金でもある消費税に関する改正について取り上げてみようと思います。

1.事業者免税点制度の適用上限の引下げ

中小事業者の納税負担を配慮して創設されたこの制度ですが、依然として全体の6割強の事業者が免税事業者となっていることを踏まえ、事業者免税点(基準期間の課税売上高3,000万円)の水準を大幅に引下げ1,000万円とすることとなりました。

2.簡易課税制度の摘要上限の引下げ

簡易課税制度とは、中小事業者が消費税の納税を簡易に行なうために設けられた制度で、業種別にみなされた一定の率を用いて売上金額等から消費税の納税額を計算するものです。しかし,納税方式を簡易にするために設けられた制度であるにも係わらず、節税目的のために利用されることや、益税が発生していることでも問題にされることが多い制度となっています。そこで、今回簡易課税制度を採用できる基準を現行の基準期間の課税売上高が2億円から5,000万円に引下げられました。

3.消費税の総額表示制度の義務付け

今回の改正で企業の売上規模に係わらず影響してくる改正としてあげられるのがこの総額表示の義務付けです。この制度により、平成16年4月1日より小売業者や物品販売業者やサービス業などの一般消費者を対象とする事業者は、その消費税額を含んだ金額での表示を義務づけられることになりました。なお、事業者間での取引などには義務は課されません。  具体的には総額表示の方法は定められていませんが、下記のような表示となるでしょう。 【例 1,000円 消費税50円 の場合】

(1) 1,050 円
(本体 1,000 円 消費税等 50 円)
(2) 1,050 円(うち消費税等 50 円)
(3) 1,050 円(本体価格 1,000 円)
(4) 1,050 円(税込)
(5) 1,050 円
(6) 1,000 円(税込  1,050 円)
変更の容易さ、わかりやすさ、会計処理上の利便性など、その採用するポイントは様々だと思われますが、いずれにしろ事前準備が必要となる制度であることには変わりないと言えるでしょう。

4.消費税の中間申告制度の見直し

改正以前より消費税にも中間申告制度は存在しましたが、いわゆる預り金である消費税の性質に着目し、中間申告の回数をその納税額に応じて増加させることとなりました。

                                         
【予定回数】   【改正後】
年 12 回 【現行】 6,000 万円超
年 4 回 500万円超 500 万円超
年 2 回 500 万円以下 60 万円超 500 万円以下 60 万円超
年 1 回 60 万円以下 60 万円以下

5.消費税諸制度の適用開始時期

以上の各種改正は適用開始時期がその事業年度や改正内容によって相違します。ここでは代表例として3月決算法人と12月決算法人・個人事業者について例示を示すこととします。

【3月決算法人の場合】
基準期間※ 適用開始
簡易課税制度・
免税事業者判定
H14.4.1〜H15.3.31 H16.4.1〜
総額表示   H16.4.1〜

【個人事業者・12月決算法人の場合】

基準期間※ 適用開始
簡易課税制度・
免税事業者判定
H15.1.1〜H15.12.31 H17.1.1〜
総額表示 H16.4.1〜

※基準期間とは・・・
基準期間とは消費税の納税義務や簡易課税制度の適用の可否を判定する際に用いる基準となる期間をさします。個人事業者の場合にはその年の前々年をいい、法人の場合には一般的にはその事業年度の前々事業年度をいいます。

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相続時精算課税制度のあらまし

1.制度の概要

平成15年度税制改正において、相続時精算課税制度が創設されました。この制度は、贈与者(65歳以上の親)からの生前贈与について、受贈者(20歳以上の子である推定相続人)の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税をする制度です。   この制度を選択してからの贈与額の累計が、非課税枠である2,500万円に達するまでは、申告は必要ですが、贈与税額は発生しませんから、生前にまとまった財産を贈与したいという場合には有効な手だてになると思います。

また、贈与額の累計が非課税枠である2,500万円を超える場合には、その超えた金額に、一律20%の税率を乗じた贈与税を納めなければなりませんが、相続時に、それまでの贈与財産と相続財産とを合算して計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を控除することができます。もちろん、控除しきれない場合には、贈与税額の還付を受けることになります。なお、相続財産と合算する贈与財産の評価額は贈与時の時価とされます。

2.住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度

この制度について、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得する資金または自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金の贈与を受ける場合に限り、65歳未満の親からの贈与についても適用することとし、2,500万円の非課税枠に1,000万円を上乗せし、非課税枠を3,500万円とすることができます。この特例は、平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得資金等について適用します。現行の住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例(5分5乗方式)についても、平成17年12月31日まで利用可能です。

3.相続時精算課税制度はホントに有利?

この制度は、2,500万円までの贈与であれば贈与税がかからないということで注目を浴びていますが、その一方で、課税の繰延に過ぎないため、節税という観点からは決して有利ではないとの意見もあります。そこで、この制度の適用にあたって検討すべきポイントについてまとめてみます。
@将来相続税がかかるか否かが最初のチェックポイント  
将来、相続税がかからないことが予測されるケースでは、相続時精算課税制度を使うことによる税金面でのデメリットはありません。ただし、いったん選択すると、税額が発生しない場合でも、贈与の都度、贈与税の申告が必要になります。また、2,500万円超の贈与で納付した贈与税について、還付を受けるためには、相続税が発生しない場合でも相続税の申告が必要となるので注意してください。  一方、将来相続税が課税されることが予測される場合には、贈与時点で贈与税が課税されなくても、相続発生時に相続税が課税されることになりますので、通常の贈与税の場合の税率と、相続発生時に予測される相続税率とを比較して、相続税率の方が高い場合は、相続時精算課税制度を選択すると税負担では不利になります。逆に、予測される相続税率の方が低い場合には、長期的な視点から本制度を選択すべきかを検討する必要があります。
A長期的な視点からのチェックポイント  
相続時精算課税制度を選択した場合、その贈与者については年間110万円の基礎控除が利用できなくなります。単純計算で、25年で2,750万円を税負担なしで贈与できる枠が使えなくなるわけですから、110万円ずつ計画的に贈与する場合に比べて不利となります。また、この制度を選択した場合、相続時に相続財産に組み入れる価額は、贈与時の価額とされますから、価値が減少していくものについては、贈与時の価額で相続財産に組み入れられることになり、結果として相続税の負担を増加させるデメリットとなります。さらに、相続による取得ならば認められる小規模宅地の評価減が、この制度で贈与された財産には利用できません。また、相続で取得した財産であれば物納が可能ですが、生前贈与された財産は物納に充てることができなくなってしまいます。

逆に、有利に働く例としては、収益物件の贈与などのケースが考えられます。利回りがよい物件を贈与した場合には、所得が子に帰属するため、親の相続財産を増加させずに、子に納税資金を留保させることが期待できます。長期的には税負担の増加を考慮してもメリットとなる場合があります。  このように、相続時精算課税制度は、節税という観点からは必ずしも有利な制度とはいえませんが、まとまった財産を生前に贈与するという観点からは利用価値があります。当面の税負担だけではなく、将来を見据えた慎重な判断の元に選択の是非を検討する必要があるといえましょう。

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4月より  健保・厚年 総報酬制スタート!

従前の健康保険・厚生年金保険の保険料率は、毎月の給与に対し各々健保8.5%・介護1.07%・厚年 17.35%、賞与には特別保険料として各々健保0.8%・厚年1%が賦課され、労使折半で負担していましたが、この4月よりいわゆる総報酬制がスタートし、給与と賞与に同率の各々健保8.2%・介護0.89%・厚年13.58%の保険料率が賦課され、労使折半で負担することになりました。

総報酬制の最大の目的は、保険料負担の公平性を確保することです。これまでの社会保険料は、毎月の給与額に応じて負担する仕組みであったため、同じ年収であっても年収に占める給与と賞与の割合によって保険料負担に差が生じていました。しかし総報酬制により給与と賞与に同じ保険料を負担することで、年収に占める給与と賞与の割合による保険料負担の公平性を確保することとなります。では、保険料の計算方法について詳しく見てみましょう。

保険料の計算方法

月額給与については従来どおり標準報酬月額を基準に保険料を計算し、賞与等の場合は標準賞与額を用いて計算します。また、これまでの賞与から徴収される特別保険料は、年金給付には反映しないことから個人ごとの拠出実績を把握せず、賞与等支給総額に特別保険料率を乗じて事業所単位で計算していましたが、総報酬制では被保険者ごとに標準賞与額に保険料率を乗じて計算します。よって賞与等からの拠出も年金給付に反映します。  
具体的な計算方法は次のとおりです。なお、負担はすべて労使折半となります。

給与にかかる保険料 旧 ( 3 月まで ) 新 (4 月より )
健康保険料 標準報酬月額 × 8.5 % 標準報酬月額 × 8.2 %
介護保険料 標準報酬月額 × 1.07 % 標準報酬月額 × 0.89%
厚生年金保険料 標準報酬月額 × 17.35 % 標準報酬月額 × 13.58 %

賞与にかかる保険料 旧 ( 3 月まで ) 新 (4 月より )
健康保険料 賞与額×1.0%(労働者負担0.3) 標準賞与額(※1)× 8.2%
介護保険料 なし 標準賞与額(※1)×0.89%
厚生年金保険料 賞与額×1.0% 標準賞与額(※2)×13.58%

(※1)及び(※2)・・・1,000円未満は切捨
(※1)の上限・・・2,000,000円
(※2)の上限・・・1,500,000円

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