私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

目次

  1. 京都事務所移転3周年に思うこと
  2. 政府税制調査会基本方針発表
  3. 商法大改正
  4. 貸借対照表の資本の部の表示方法が変わります!

はじめに

早いもので、京都事務所の新築移転から3年が経過しました。僅か3年というべきか、されど3年というべきか、時の移ろいの早さにやや戸惑っていることも確かです。といいますのも、3年前にはほぼ完璧だと考えていた事務所のコンピューターシステムが少々陳腐化し、大幅な見直しをしました。ハードウェア自体は日進月歩で改善されていますから、当然といえば当然ですが、システム自体の基本構成が根本的に変わりました。いわゆる「情報ネットワークシステム」の構築です。つまり、スタッフ全員が各自のワークステーションを持ち、それらをネットワークで繋げるという状況は、正直なところ3年前には想定していませんでした。まして、無線LANによって事務所の建物の中であれば場所を選ばずに仕事が可能になりました。さらに、所長をはじめリーダー格のスタッフは携帯ノートパソコンを常時携行し、出先からはもちろん、新幹線やクルマの中からでも事務所のサーバーにアクセスしてコミュニケーションをとることができます。まさに「モバイル所長」や「モバイル副所長」が誕生したわけです。

もっとも、こうした情報ネットワーク投資も、それを有効に活用できなければ宝の持ち腐れですから、後は使う者の心掛け次第ということでしょうか。携帯ノートパソコンの決して大きくないディスプレイに向かって奮闘している今日この頃です。

さて、HAGレポートの夏号をお届けいたします。去る5月には平成14年の改正商法が成立し、新たな制度が導入されることになりました。ここ1年間で商法はなんと4回も改正されたことになります。この改正をフォローする記事も掲載していますのでご参照下さい。

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ちょっと気になる税の情報
〜 政府税制調査会基本方針発表 〜

平成14年6月14日、小泉総理は首相官邸で、税制調査会の石弘光会長から税制改革の基本方針についての答申を受け取りました。  近頃、毎年大きな改正項目を盛り込んだ税法が施行されていますが、我が国の税制はどのような仕組みで決定されているのか皆様はご存知でしょうか?当然立法の決定機関は国会であるわけですが、そのベースとなる基本的枠組みは、政府の税制調査会と自民党(与党)の税制調査会で審議されています。現在は、政治優位の状況で、政府の税調が中期的な税制のあり方を示す一方で、最終的な税制の決定権限は自民党の税制調査会が握っています。党税調の大物が、「政府税調の意見など無視する。」と放言したとの噂話は、このような実態を象徴していると言えます。

ところで、このような状況に割って入ってきたのが、「経済財政諮問会議」。同会議は、政府税調と同じ首相の諮問機関でありますが、改正のタイムスケジュールを明確に示した上で、税制の抜本的改革を行うことを提言しています。税制の抜本改革という点では政府税調とバッティングするほか、税制改正のタイムスケジュールまで決定することになると、党税調との間でも税制の決定権限をめぐって軋轢が生じています。ですから、例年であれば、党税調と政府税調は年末の同日にそれぞれ大綱、答申をまとめますが、今年は秋に政府税調が先行して答申をまとめ、その枠内で党税調が年末に大綱をまとめることも検討されています。

私たち納税者の立場からすれば、「結果」が重要であり、税制がどこで決まろうがあまり関係ない話ですが、この財政難の折、将来をしっかりと見据えた税制の中身について議論されることを期待します。しかし、実情は税の決定権限をめぐる熾烈な綱引きばかりが目に付くお寒い現実のようです。

参考までに、総理大臣の諮問機関である政府税制調査会について少し触れておきます。政府税調の答申は、税制を中長期的観点から検討した報告書と毎年の税制改正に関する報告書の2種類を出しており、委員構成は、各分野から広く学識経験者を集め、30人程度の委員をもって構成されています。それでは、先ほど提出された答申の内容を見ていきましょう。ただし、あくまで提言であり決定事項ではありません。

1.所得税法 (人的控除の見直し)
@配偶者特別控除の廃止
A特定扶養控除、老人扶養控除、勤労学生控除など家族に関する控除を基礎控除、配偶者控除、扶養控除に集約
(税率と適用範囲)
@現状以上の税率の引き下げは必要なし
A最低税率(10%)が適用される範囲(330万円まで)の縮小
B平成11年度に実施された定率減税(税額の20%、25万円まで)の廃止

2.消費税法
@税率水準の見直しを図る → 税率の引き上げをにおわす
A課税売上3,000万円以下の免税点を大幅に縮小し消費税の透明性を高める
B簡易課税制度の制度廃止を含めた抜本的な見直し

3.相続税・贈与税法
@最高税率の引き下げ
A高齢化社会到来に伴う生前贈与に対する社会的要請を踏まえ、相続税・贈与税を累積課税化し、両者の一体化(現状の相続税非課税限度枠=5,000万円+法定相続人の数×1,000万円を生前贈与するときに一部使用できるようにする。これが実現されれば住宅等を無税で贈与することも可能になる。)

4.外形標準課税の早期導入

5.不動産取得税、登録免許税といった土地流通課税の軽減の検討

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商法大改正

日々移り変わる時代の流れとともに、商法も多面的な見直しの必要性を求められ、昨年度より数回に渡って大きな改正が行なわれて来ました。これは、「企業間の国際的な競争の激化」「コンピューター・ネットワークの普及」「IT革命の進展」「新規企業の資金調達の需要の増大」等の企業を取り巻く社会や経済状況の変化に対して、商法が定める会社情報のあり方、高度情報化社会への対応、株式制度等それぞれがその実状にそぐわないことによる歪みを是正するべく行われたものでした。では、具体的にはどのような改正が行なわれたのでしょうか。平成13年度6月改正から現在までの改正項目と、平成14年度改正の一部について抜粋し、内容に若干触れたいと思います。

平成13年第1次(6月)改正
  • 金庫株の解禁(自己株式取得の自由化)
  • 額面株式制度の廃止
  • 株式の大きさに関する規制の撤廃 【13年10月1日施行】 平成13年第2次(11月)改正
  • 新株発行規制等の見直し
  • 種類株式
  • 株式の転換
  • 新株予約権
  • 新株予約権付社債
  • 株式交換等の場合の新株予約権の処理
  • 会社関係書類の電子化等計算書類の公開 【14年4月1日施行】 平成13年第3次(12月)改正
  • 監査役の機能強化(任期3年→4年)
  • 株主代表訴訟における取締役の責任軽減 【14年5月1日施行】
平成14年改正
  • 種類株主の取締役等の選解任権  
    譲渡制限会社が数種の株式を発行している場合、ある種類の株主総会において、1人または数人の取締役を選任出来るようになりました。これは、ベンチャー・キャピタルが取締役会に取締役を送り込んだり、または合弁企業において各出資企業が出資割合や事業への関与の度合いに応じそれぞれ取締役を選任できるようにするために行われている株主間契約の内容を実質的に実現しようというものであり、少数株主を保護しようとするものです。
  • 株券失効制度の創設
    株券を喪失した者は、会社に株券喪失登録を行い、株券の所持者から登録異議の申請があった場合等を除き、株券喪失登録日の翌日から1年を経過した日にその株券は無効となりました。
  • 所在不明株式の株式売却制度の創設
    所在不明株主について、会社は通知及び催告の義務は免除されていましたが、株主として管理は行なわれなければならず、事務の合理化の支障になっていました。また、所在不明株主が増加し、議決権を行使しない株式が増加しているという問題も指摘されていました。これに対応し、今改正により取締役会の決議により所在不明株式の売却等が可能になりました。
  • 端株等の買増制度
    定款において、端株主に端株売渡請求権を認める旨を定めた場合に、端株主の請求があった時は、自己の端株をその端株主に譲り渡さなければならないものとされました。端株主にとっては、一株の株主になる機会が与えられるとともに、会社にとっては、自己株式を新株の発行の手続きによらず処分することが出来るようになりました。
  • 株主提案権の行使期限の繰上げ等
    議題提案権等の行使期限について、会日より6週間前であったのが8週間前に延長されました。
  • 株主総会等の特別決議の定足数の緩和
    株主総会の特別決議の定足数について、定款にて別段の定めをすることが可能となりました。
  • 株主総会招集手続の簡素化等
    株主総会は、議決権を行使できるすべての株主の合意があれば、招集手続きを経ずに開催できることとなりました。
  • 取締役の報酬規則
    従来、取締役報酬は、株主総会で支給限度額を決定した上で個々の取締役への支給額の決定は取締役会に一任することが出来ました。今回の改正で、不確定金額を報酬とする場合においてはその具体的な算定方法を、金銭以外のものを報酬とする場合においてはその具体的な内容を定めなければならなくなりました。
  • 大会社以外の株式会社の会計監査人による監査
  • 大会社の連結計算書類の導入 その他・・・    【15年4月1日施行】

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貸借対照表の資本の部の表示方法が変わります!

ご承知の通り商法が改正されたことを受けて、貸借対照表の資本の部の表示方法が次のように変わります。適用は、平成14年4月1日以降に開始する事業年度からとされていますから、実際に新しい様式の貸借対照表が登場するのはまだ少し先になりますが、早期適用は差し支えないという法令の趣旨ですから、早い時期に新様式にお目にかかれるかも知れません。

旧 様 式 新 様 式
資本金
法定準備金
資本準備金
利益準備金
剰余金
任意積立金
当期未処分利益
その他の剰余金(注)
評価差額金
自己株式
資本金
資本剰余金
資本準備金
その他の資本剰余金(注)
利益剰余金
利益準備金
任意積立金
当期未処分利益
株式等評価差額金
自己株式

(注)減資差益や自己株式の処分差益などが計上されます。

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