私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。
まぶしい夏の太陽ともようやくお別れする季節となりました。しかし、衣替えの季節を迎えたとはいえ、例年になく暑い夏の記憶は簡単に消えそうになく、秋を実感するのにはもう少し時間がかかりそうに思うのは私だけでしょうか。
さて、この時期になりますと、次年度の税制改正の内容がより具体的になり、一部ではそれを先取りした報道や記事に接することも多くなります。そのような状況の中、私たちが入手した範囲で取りまとめた情報を2頁に掲載しましたので、ご一読下さい。
また、今回は新たに人事をめぐる問題に焦点をあてた記事をまとめてみました。私たちの事務所でも人事をめぐる相談案件が増えているように思います。意外なことと思われるかも知れませんが、企業を取り巻く環境の変化に思いをいたすと、むしろそれは当然なのかも知れません。豆知識の域を出ない情報ですが、一度お目通しいただければ幸いです。
ところで、弊事務所のレベルアップセミナーも回を重ねるごとに充実してきたようで、参加者の皆さんからもご好評を得ていることは主催者としてうれしい限りです。しかし、時間的あるいは地理的な制約からなかなかお越しいただけない方も多数いらっしゃると聞き及んでおります。そこで、今回から過去のレベルアップセミナーのサマリーを掲載することといたしました。ご興味ご関心のある方は是非ともご覧いただき、全編聞いてみたいというご要望に対してはビデオの貸し出しも行っておりますのでご利用下さい。 HAGレポートの秋号をお届けいたします。
毎年の税制改正の話題となるのがこの相続税と贈与税の一本化だと思います。この一本化について6月に政府税制調査会が「あるべき税制の構築に向けた基本方針」を公表しておりますが、その公表を受けて8月30日に政府税調の基礎問題小委員会でこの件について検討を行った模様です。実際に法律として施行される時期は、平成15年度になるかと思いますが、今回は明らかになった部分についてインフォメーションしていきたいと思います。
@新制度は贈与税の特例としての位置づけ新制度は、贈与税の特例的な措置として位置づけられ、制度適用可能者は、現行の制度 又は新制度のいずれかを選択することになる。また、兄弟姉妹間で異なった制度を採用することも可能となる模様です。
A受贈者は65歳以上の推定相続人の子である推定相続人現行の基本方針では、受贈者が65歳以上で、贈与者の子である推定相続人に対するも のでなければならないなど多くの制限が見られます。
B生前贈与の額や回数は制限設けず 政府税調では新制度はあくまでも贈与税と相続税の精算という立場をとっており、最終 的な「贈与税+相続税」の税額は変化しないとしています。したがって、生前贈与の贈与額及び回数制限は設けない方針のようです。
国税庁からこの程「取引相場のない株式の物納」についての新基準を盛り込んだ相続税法基本通達の一部改正が発表されました。「取引相場のない株式の物納」については、平成14年度与党税制改正大綱に、「取引相場のない株式の物納について、物納の要件及びその取扱いの明確化を図る。」と明記されたところから、その内容が注目されていましたが、このたび国有財産を管理する財務省理財局と国税庁との間で、「取引相場のない株式の物納について」の取扱いが固まり、通達改正による明確化に至りました。 これまで「取引相場のない株式」は、基本的に、売却できる見込みのない有価証券として、管理又は処分をするのに不適当な財産に位置付けられ、物納が困難なものとされていましたが、今回の通達の改正により下記要件
のいずれも満たし、売払いが確実に見込まれるなど、経営内容等から収納を適当と認める場合には、「売却できる見込みのない有価証券」に該当しないものとされることになります。
国税当局は、このような取扱いが、取引相場のない株式の物納条件の緩和ではないことを強調していますが、これまでも良好な株式については、物納を許可してきたことも説明しています。しかし、これまでの取扱いが、「当該時点の発行会社の経営、特に財務内容の状況、収益性及び配当可能性の見込み等を勘案して、当該株式が合理的期間内に、適正な方法により、その時点における適正な価格で売却可能であると見込まれた場合」に「売却できる見込みのない有価証券」に該当しないもの(物納可能)として処理するとしていたことに比べますと、物納の要件がこの通達によって明確化されたと言えるのではないでしょうか。
近年、労働条件を取り巻く環境は激しく変化しています。この急激な変化をもたらす要因は何でしょうか。産業構造の転換、高齢化・高学歴化社会の進展、技術革新の加速化、従業員の価値観の変化と多様化、女性のさらなる職場への進出等々があげられます。つまり、「人」に対する基本的な考え方に変更を加えなければならない要因が、数多く出現してきているのです。まさに、経営と人事の一体化の中から新たな経営人事の方向を探り出さねばならないのですが、ここで特に重要なポイントとなるのが、人事考課制度です。
従来、我が国の中小企業の多くにおいて人事考課制度は整備されておらず、「経営者や上司が社員の仕事ぶりを見て主観的に評価を行い、それにより処遇を決定する」という形がとられてきました。しかし、このような評価は社員に不公平感を与える可能性があり、また評価を高めるためにはどのようなことをすべきかが不明確で、社員のやる気を損なう場合もあります。
しかし、人事考課制度の導入により
@ より公平な評価を行うことができる。
A なぜその結果なのか、どうすれば評価が上がるのかを論理的に説明できる。
B 能力開発の方向性が明確になる。
といった効果がみられ、これが社員の「働きがい」や「目標」を生み出すことにつながります。
会社の経営資源の大きな柱である「人材」を強化・育成すれば、社員はもとより会社の活性化につながることはいうまでもありません。
では、実際に人事考課制度を導入するにあたって、どのような点に留意すればよいのでしょうか。ポイントは以下の5点です。
1.期待する人材像を反映させる
会社が期待する人材像を反映させるように考課項目や考課基準を設定します。「このような能力を伸ばしてほしい」「このような姿勢で仕事に取り組んでほしい」という会社の要望を盛り込み、それぞれの重要度に応じてウエイトづけを行います。
2.開かれた人事考課をめざす
考課の目的・内容・項目・基準・方法などは、社員に対して予め公表する必要があります。考課項目や基準を認識させることで、各自に明確な目標と課題を与えることができます。
3.結果をフィ−ドバックする
人事考課の結果は被考課者である社員に報告します。またその際には結果のみにとどまらず、「なぜその結果となったか」「どの点が優れ、または至らなかったか」「今後どの点に注意してほしいか」についても言及し、今後の方向性を明確にします。
4.人事諸制度と関連させる
人事考課の結果は、賃金・職位・人員配置などに反映させてこそ価値があります。人事考課の結果により賃金その他の処遇を決定させます。
5.考課者に対する訓練を行う
どんなに優れた人事考課制度であっても、考課者がきちんと評価しなければ、その評価は正当なものではなくなってしまいます。そのため、考課者に対して事前に考課者訓練を実施する必要があります。