私たちひかり税理士法人では、広報活動の一環として「HAGレポート」を作成し、 クライアント企業をはじめ関係先の方々にお届けしています。

目次

  1. はじめに
  2. 出向社員の労働保険・社会保険の管理
  3. 連結納税制度ってなに?
  4. 今からでも間に合う税金対策あれこれ!

はじめに

米国の同時多発テロ事件をきっかけに世界経済の先行きに暗雲が漂いつつあるようですが、身近なところでも不況に関する話題には事欠きません。弊事務所のホームページでもリンク先に倒産情報を登録していますが、毎日必ずどこかの会社が破綻しています。マイカルといった大手もさることながら、地域の中堅企業が破綻した報に接する機会が多くなってきたように思います。こうした流れから経済全体が厳しい方向へ向かっていることを予想することは容易なのですが、しかし、会社の業績が芳しくないことをこうした経済全体の流れのせいにしてしまうことには余り賛成できません。厳しい環境の中でも、強靱な足腰を発揮して、したたかに成長している会社も確実に存在します。もっとも、その背景には相応の努力が積み重ねられていることは言うまでもありませんが。

さて、努力を重ねるという意味では、私たちの事務所も例外ではありません。会計や税務を取り巻く制度がめまぐるしく変化している今日、変化に遅れずについていく努力が不可欠となっているのです。商法は今年に入って既に二回の大幅改正が行われ、年内に三回目の改正が行われようとしています。商法が改正されれば、当然に会計や税法の実務に影響を与えます。机の上には改正を伝える専門誌が積み重ねられています。ポイントを見逃さないようにしっかり目を通そうと思っています。HAGレポートの「秋号」をお届けします。

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出向社員の労働保険・社会保険の管理

平成大不況と叫ばれる中、多くの企業は生き残りをかけて、経営の合理化やスリム化に取り組んでいます。余剰人員が出る中で、親会社やグループ会社などから出向社員を受け入れるケースも増えています。そうした場合、きちんと手続きを踏まないと、労使間の思わぬトラブルを招くことにもなりかねません。また、出向の仕方によって手続きが異なる場合もあるので注意が必要です。そこで、こうしたケースに備えるために、出向社員の労働保険と社会保険の管理について説明します。

出向とは

一般的には大きく2つに分かれます。
1.在籍出向  
出向元と出向先の双方と出向社員の間で雇用契約関係があります。出向元に社員としての身分を残しながら、出向先でも社員としての身分を得て、指揮命令を受けることになります。
2.移籍出向(転籍)  
出向社員は出向元の会社を退職し、出向先の会社と新たに雇用契約を結ぶこと になります。出向元に身分は残りません。

出向社員の労働・社会保険の取扱い

1.労災保険  
@ 労災保険の適用  
前掲の在籍出向のように出向先で指揮命令を受けて業務に従事している出向社員の場合には、出向先の労災保険の適用を受けます。  
A 年度更新  
出向元で賃金が支払われていても、出向先で出向社員に対して支給したものとして取り扱います。年度更新の時には、忘れずに賃金総額に含め、出向先事業主が保険料を算定、納付します。

2.雇用保険
@雇用保険の適用  
出向社員の雇用保険はその者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者資格が認められます。在籍出向では、出向元、出向先ともに雇用関係がありますが、主な賃金を出向元が支払うのであればそのまま出向元での雇用保険の適用になるため、特別な手続きは不要です。
A 失業等給付  
出向社員の基本手当などの求職者給付や雇用継続給付などの失業等給付は主な雇用関係にある事業主の支払う賃金が元になり、それに基づいた給付が行われます。

3.社会保険  
社会保険では、2以上の事業に使用される場合、保険者選択の手続きをとります。在籍出向の場合、出向元、出向先の双方に出向社員との使用関係があるとみなされることもありますが、使用関係について実務面では人事・労務・給与支払い・指揮命令がどちらで行われているかにより社会保険事務所が判断することになります。また、同時に2以上の事業所に使用されるとみなされた場合は、どちらか一方を選択することになります。この場合は「所属選択届」と「二以上事業所勤務届」を社会保険事務所か健康保険組合に提出します。

しかし、実際には省略されている場合が多く、通常は主たる賃金が出ている会社が、もう1社分の賃金を合算し、標準報酬を算定することになります

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ちょっと気になる情報 連結納税制度ってなに?

いよいよ平成14年4月より連結納税制度が導入されることとなり、政府税制調査会によりその方向が徐々に明らかとなってきています。今回はこの制度について簡単ではありますが紹介させていただきます。 連結納税制度とはどういうことですか?

連結納税制度とは、企業をグル−プ単位でとらえて課税しようとする仕組みで、企業の経営環境の変化、国際競争力の維持、税制の中立性といった観点から産業界などにその導入が待たれていた制度です。

ある会社が新規の事業を行うにあたって事業部門を新設する場合と子会社を設立する場合とで考えてみるとその税制の中立性がよく分かります(税率を50%と仮定)。

【事業部を新設した場合】

事業部 所 得 税 額
既存事業部 100  
新規事業部 △50
合 計 50 25
【子会社を設立した場合】
会 社 所 得 税 額
親 会 社 100 50
子 会 社 △50 0
合 計 50 50

このように事業展開の形態が違うだけで税額が異なってくる現行の税制に対して、連結納税制度では企業グループとしての課税が行われるので上記のような二つの違う形態であっても同じ結果となり課税の中立性が保たれることになります。

連結財務諸表とは同じもの?違うもの?
すでに導入されている「連結財務諸表」とはその目的や計算構造等が大きく異なっています。
連結納税制度では、グループ全体の課税所得の計算を目的としているのに対して、連結財務諸表ではグループ全体の財政状態・経営成績等を利害関係者に対して公表することを目的としています。

連結納税制度の対象となるのはどんな会社?
現在のところ、日本では内国法人である親会社とその100%子会社を対象とする見込みです。ただ、連結納税制度の採用は強制ではなく、継続適用等の諸要件のもとに選択適用となりそうです。 なお、要件を満たす子会社すべてがグループに強制加入なのかという点についてはまだ結論はでていないようです。

どうやって連結所得金額は計算するの?
日本ではフランスが既に導入している所得通算型により制度が導入される予定です。この所得通算型とは各社の所得を個別に計算した上で、連結特有の調整を行っていく方法です。既に導入されている各国においてもその所得の計算方法は様々です。

連結納税制度は得するの?損するの?
では、連結納税制度は導入するとどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。代表的なものについて説明してみます。

【メリット】  
★企業グループ内の損益の通算が行えます。  
★グループ内の内部取引について生じる利益については調整により課税対象から除外されます。

【デメリット】  
★ グループ内の内部取引について生じる損失については調整により繰り延べられてしまいます。  
★ 子会社を用いての所得分散による節税効果が減少します。  
★グループ企業の事業年度統一等の諸手続が必要になります。  
★事務処理面での作業量が増加することが予想されます。

また、連結前の各社の繰越欠損金や連結前から保有する各社の含み損のある資産をグループ外に売却した際に生じる売却損についてもグループ内の他社の利益と相殺することはできない見通しです。 このように連結納税制度を採用するかどうかの判断は単年度の状況だけでなく、将来的な展望もふまえて検討するのが望ましいと言えます。

制度導入後の税収減への対応として@租税特別措置法の廃止・縮小A課税ベースの拡大B 連結付加税の導入C欠損金の繰越控除の見直しなどといった検討事項についてもまだその詳細が明らかとはなっておらず、今後もその動向に注目したいところです。

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今からでも間に合う税金対策あれこれ!

今年も残すところ後3ヵ月となり、慌ただしくなる年の瀬も目前となりました。年の終わりにやり残したこと…と考える前に、「今のうちにしておけば」を考えてみては如何でしょうか?

そこで、今回は本年度の税制改正項目にポイントをおいて、今からでも間に合う節税対策についてお話したいと思います。

【贈与税の基礎控除引上げ】

 相続税の節税対策としてまず頭に浮かぶものといえば、生前贈与を利用することですが、今年の税制改正で贈与税の基礎控除額が引き上げられたことに注目したいところです。従来、60万円であった基礎控除額が平成13年1月1日以降の贈与については110万円となり、毎年1人が贈与される金額が110万円以内であれば、贈与税はかからず申告の必要もありません。

この基礎控除の110万円は暦年単位で利用できますので、多額の財産を一度に贈与するよりも数年間に分けた方が有利になります。また、子をとばして孫へ贈与すれば、相続税の課税を1回パスすることになり、また相続人ではない孫に贈与したものは生前贈与加算の対象にもなりませんので、より有利な節税を考えることが出来ます。

昨今の土地や株式の下落を上手く利用して、将来値上がりしそうな資産を価値の下落している今のうちに贈与することも節税対策の一つといえましょう。

【住宅取得資金の贈与】

贈与税の基礎控除額が60万円から110万円に引き上げられたことに伴い、「住宅取得資金贈与」の特例でも、非課税になる金額が、300万円から550万円になりました。これは、110万円の贈与を5年分まとめて行ったと見なすものです。

この特例は、自らが居住するための住宅(その住宅の敷地を含みます。)の取得の対価に充てるための金銭(「住宅取得資金」といいます。)を父母又は祖父母から贈与された場合において、その全額をその対価に充てて一定の住宅を取得し、その取得の年の翌年3月15日までに取得した住宅に入居しているか又は以後遅滞なく入居する見込みである場合に、贈与税の負担を軽減しようというものです。

今年の改正では、前述の非課税となる金額の引き上げの他にも適用範囲が拡充され、従来住宅の新築と取得のみであったものが、増改築、大規模修理、買換、建替にも利用できることとなりました。

【住宅ローン控除】

住宅ローン減税は、住宅を新築・購入した場合や増改築した場合などに、年末時点のローン残高の一定割合を所得税額から控除する制度ですが、これも今年の改正により期限を延長した上で、新住宅ローン減税制度として控除率等の改定が行われました。

新制度では、ローン残高の上限(5,000万円)は同じですが、控除期間を15年間から10年間に短縮し、さらに3段階だった控除率(1〜6年目1%、 7〜11年目0.75%、12〜15年目0.5%)を全期間一律として、年末ローン残高の1%とされました(10年間で最大500万円控除)。減税期間が最高15年から最高10年に短縮されることにより、控除の最高額は減少しましたが、控除率が全期間一律になることで、10年以内に住宅ローンを完済しようとする方にとっては、新制度への変更によって控除額がアップすることになりました。

この新制度の適用期間は平成15年末までとなり、平成16年以降は原則的な制度に戻る予定となっています。原則ではローン残高の上限、並びに2,000万円を超える借入金に対する控除率ともに下がりますので、利用するのであれば今のうちということも言えます。但し、平成16年時点の景気動向によっては、再び特例措置が継続される可能性も考えられます。

以上、簡単に説明致しましたが、次回レベルアップセミナーにてより詳しく解説致したいと思っております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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